キヤノンが機械工業デザイン賞で二つの賞を受賞
2023年、キヤノンは日刊工業新聞社主催の「第56回機械工業デザイン賞 IDEA」において、商業印刷向けインクジェットデジタルプレス「varioPRINT iX1700」と、全身用X線CT診断装置「Aquilion Rise」がそれぞれ特別な評価を得ました。
経済産業大臣賞を受賞した「varioPRINT iX1700」
「varioPRINT iX1700」は、毎分170枚印刷可能なA4サイズ対応の商業印刷機であり、B3サイズでも毎分73枚の高速印刷を実現しています。この機種は、オフセット印刷に匹敵する品質を提供するために、インク循環機構が搭載された高解像度プリントヘッドと高濃度ラテックスインクを採用しています。さらに、直感的な操作が可能なナビゲーションLEDが複数装備されており、消耗品の交換などの作業もスムーズに行えます。
印刷現場の生産性を向上させるためのデザインが各所に施されていることも特徴的です。天面は平坦になっており、インクや印刷物の一時的な置き場として利用可能です。これにより、作業の効率が格段に向上します。
日本デザイン振興会賞を受賞した「Aquilion Rise」
もう一方の「Aquilion Rise」は、慶應義塾大学との産学連携により開発された、臥位・立位・座位での多様な検査が可能な全身用X線CT診断装置です。この装置は、片側からのみ支える架台構造を採用し、患者や医療従事者の動線を配慮したデザインがされています。これにより、撮影時に広い作業空間を確保し、入退室の効率を高めています。
また、曲面を多用した優しいフォルムは、検査室内での圧迫感を減少させるために設計されており、開放感と視認性が向上しています。さらに、ボア開放部に配置された照明が内部を明るく照らし、患者の不安や緊張を軽減する役割も果たしています。
国際的な評価とデザインの賞賛
「varioPRINT iX1700」と「Aquilion Rise」は、ともに国際的に権威ある「iFデザインアワード」でもそのデザインが評価されており、特に機能性と美しさの両立が際立っています。今回の受賞は、キヤノングループにとって記念すべき19回目となり、最優秀賞の受賞は3回目とあって、デザインと技術を融合させた製品の開発を今後も続けていく意欲が感じられます。
「機械工業デザイン賞 IDEA」とは
この賞は、1970年に設立され、日本の工業製品におけるデザインの振興と発展を目的としています。審査は、製品の機能や外観だけでなく、市場性や社会性、安全性などの視点から総合的に行われ、毎年多くの優れた例が選出されてきました。今年で56回目を迎え、専門家からの厳正な審査のもとで行われています。
今後もキヤノンがさらなる革新をもたらす製品づくりに期待がかかります。