外資系コンサルティング業界の採用動向を分析
三井物産の子会社、キャリウム株式会社と株式会社ROXXが共同で外資系コンサルティング業界に関連する採用動向調査レポートを発表しました。この調査は、転職ビッグデータを駆使したキャリア可視化サービス「キャリアフォース」を基盤に行われ、業界内での採用状況や転職傾向について細かく掘り下げています。
調査の背景
近年、外資系コンサルティング業界は高い給与と成長機会に恵まれ、多くの優秀な学生から注目を集めています。しかしながら、選考過程における厳しい面接や特定スキルの必要性から、応募をためらう候補者も多く存在します。これを受け、キャリア戦略支援ツールの「キャリアフォース」と、オンライン完結型のコンプライアンス・リファレンスチェックサービス「back check」を活用し、業界における採用動向を定量的に可視化する必要があるとされました。
主要な分析結果
学歴の傾向
調査によると、戦略系コンサルティングファームの出身者は東京大学や京都大学、一橋大学、東京科学大学(旧:東京工業大学)などの名門大学出身者が多く、彼らは高い専門性を持っています。一方で、総合系のコンサルタントは早稲田大学、慶應大学などの大学からも多く採用されており、裾野が広がっていることがわかります。
採用の手法
戦略系のコンサルタントは他社からの中途採用者が多く見られる一方、総合系は日本のIT企業からの中途採用が多いという違いが浮かび上がりました。また、転職市場では戦略系から他社コンサルへの転職が主流となり、総合系は外資系IT企業への転職が多くなっています。
コンサルタントのスキル
コンサルタントに求められるのは、普遍的なスキルです。特にコミュニケーションスキルや論理的思考能力が重視され、これらの能力は転職時に高く評価される傾向があります。具体的には、プロジェクトの進行において社内外の関係者と緊密に連携し、課題解決を図る能力が求められます。
企業の採用基準
外資系コンサルタングファームの多くでは書類選考やテスト、複数回のケース面接が行われており、戦略系は特に学歴フィルターを設定している場所が多いことが調査から明らかになりました。戦略系では東京一工の卒業生が多い一方で、総合系は早慶上理卒業者が主流です。
専門家の見解
アクシスコンサルティング取締役の荒木田誠氏は、最近の外資系コンサルティングの動向として、DXに関連するプロジェクトが増加しており、異業種からの転職者も増加傾向にあると指摘しています。特にITスキルを持つ人材が求められていますが、一方で必須ではなく、プロジェクトを推進できる人材にもニーズがあるとのことです。
まとめ
キャリウムとROXXが行ったこの分析は、外資系コンサルティング業界における採用戦略を理解する新たな視点を提供します。業界の変化に対応したキャリア形成や転職の選択肢は、今後も多様化することが予想されるため、各自が適切な情報をもとにキャリアを選択することが重要です。