1982インパクトファンド、Halu社への出資を発表
東京都港区に拠点を置く1982インパクトファンドは、2024年5月の設立に向けて、障害者と健常者が共に利用できるプロダクトを提供する企業「株式会社Halu」に出資することを決定しました。この出資は、根本的な社会課題解決を目指す事業者を支援する一環として行われたものです。
社会課題の現状
障害のある人々は、多くの支援を受けられる環境にいますが、日常生活では「障害者」と「健常者」が分かれていることがしばしばです。このため、交流が不足し、互いの理解が深まらないという問題があります。不自由さが生じることで、時には一方の行動が制限されることもあります。これらの課題を解決するための努力が求められています。
Halu社の取り組み
出資先である「株式会社Halu」は、「インクルーシブデザイン」に基づき、障害者と健常者が共に使えるプロダクトとサービスを開発しています。特に、障害児専用の福祉機器の課題に着目し、持ち運びが難しい障害児のためのポータブルキッズチェア「IKOU」を開発しました。この椅子は、姿勢保持機能に優れコンパクトに折りたたむことができ、外出時に便利です。
「IKOU」は、障害児だけでなく健常児も同じように使うことができるため、家族でのお出かけにも最適です。これにより、障害児が外出先でも快適に過ごせるようになり、家族全員が楽しめる機会を提供しています。既に全国の92ヶ所に導入され、様々な施設で使用されています。このようにして、障害者と健常者の交流の場が広がることが期待されています。
実績と反響
IKOUポータブルチェアを使用した家庭からは、多くの喜びの声が寄せられています。「障害を理由に行けない場所をつくりたくない」との思いを抱く家庭が増え、兄弟みんなで貴重な体験をしようとする姿勢が見られます。ある家族は結婚式の席で、IKOUのおかげで同じ目線で食事を楽しめたと感謝の言葉を述べました。
将来の展望
Halu社では、IKOUポータブルチェアの導入先をさらに広げつつ、多様なプロダクトの開発に取り組んでいます。最近は「IKOU Bib(スタイ)」や「IKOUキッズウェア(子ども服)」も投入し、物理的・心理的にも障害者と健常者の距離を縮めることを目指しています。また、得られたインクルーシブデザインの知見を活用し、他の企業や団体との協業や研修事業も視野に入れています。
1982インパクトファンドの役割
1982インパクトファンドは、今後も社会課題を解決する企業を支援する方針で、金融支援に加え、代表理事のネットワークを活かしたメンタリングも行います。継続的にソーシャルビジネスをサポートし、社会貢献活動を活性化させるための取り組みを進めています。
誰でもできる応募
また、本ファンドでは、社会課題解決を目指す事業者からの応募を随時受け付けています。興味のある方は、1982インパクトファンドの公式ウェブサイトを訪れると良いでしょう。
1982インパクトファンド概要
出資者である代表理事は、1982年生まれの経済人たちで構成されており、成功体験をもとに社会貢献を目指すネットワークを形成しています。障害者と健常者が共に過ごしやすい社会を実現するための取り組みが、今後も期待されます。