DGDV、地球環境に優しい新技術を持つAgain Bioに出資
東京を拠点にするDG Daiwa Ventures(DGDV)は、デンマークのスタートアップAgain Bioに出資したことを発表しました。Again Bioは、二酸化炭素(CO2)の回収や有効活用を行う注目の企業です。この出資は、同社のシリーズAラウンドに参画する形で実現しました。
Again Bioの革新的なアプローチ
Again Bioは、産業排気ガスを原料に化学品を製造するための特殊なガス発酵技術を持っています。この技術は、デンマーク工科大学やスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学を基に開発されており、CO2削減だけでなく低コストでのグリーンケミカル供給を実現することを目指しています。
従来の技術では、設備投資が高額で化学品の安定供給が難しいとされてきましたが、Again Bioは産業排気ガスを直接バイオリアクターに供給し、水素と共に発酵させることで、商業レベルでの化学品を市場競争力のある価格で提供できます。
すでに稼働中の製造プラント
また、現在はデンマークにて製造プラントが稼働しており、CO2を原料に酢酸の製造技術も実証済みです。酢酸は接着剤や溶剤、プラスチック、繊維、化粧品など、幅広く利用される化学物質です。さらには、グローバルな化学品卸業者であるHelm AGとの販売契約を締結し、商業化が進んでいます。
今後の展開
Again Bioは、今後も製品ポートフォリオの拡大や生産能力の向上に向けた研究開発を進めるとともに、新たな製造プラントの設立を通じてCO2削減への貢献を加速させる計画です。そのためにDGDVは、Again Bioのグローバル展開を支援し、戦略的なパートナーシップ構築に努めていきます。
DGDVのビジョン
DGDVは、シードおよびアーリーステージのスタートアップに投資を行うベンチャーキャピタルです。日本を拠点に、北米をはじめとする国際的な投資家との連携を深める一方で、ディープテックやクライメートテックなどの分野にも積極的に取り組んでいます。DGDVの使命は、日本とグローバルにおけるさまざまなギャップを埋め、イノベーションに挑むスタートアップのエコシステムを変革することです。
DGDVの取り組みとAgain Bioの技術が結びつくことで、持続可能な未来に向けた新たな一歩が期待されます。