深呼吸がもたらす睡眠の質向上、そのメカニズムと効果を探る
睡眠の質は私たちの心身の健康に深く関わっていますが、どうすればより良い眠りが得られるのかは多くの人が悩むテーマです。最近、株式会社ブレインスリープ、BREATHER株式会社、株式会社BP&CO.の3社が共同で行った検証により、寝る前の深呼吸が睡眠の質を向上させることが実証されました。この取り組みは、現代人の健康維持に対する新たな光を投げかけています。
検証の背景と目的
深呼吸には自律神経を整える効果があり、これがリラックス状態を生み出し、結果として睡眠に良い影響を与えるとされてきました。ブレインスリープは、深呼吸の重要性を広めるため、呼吸の専門家であるBREATHERと連携して、深呼吸が睡眠に及ぼす影響を実験的に調査しました。
この検証は、2段階目として、睡眠への深呼吸の効果を探るものでした。男女20名が対象となり、普段通りの生活を送った日と、深呼吸サポートデバイス『ston s』を用いた約20分間の深呼吸を実践した日を比較しました。呼吸法は呼吸コンサルタントの提案を基に実施されました。
検証の概要
検証は2025年の1月から2月にかけて行われ、20歳から60歳の男女20名が参加しました。使用したのは、BREATHER社製の深呼吸サポートデバイス『ston s』です。試験はクロスオーバー方式で、通常の睡眠条件とston sを使用した睡眠条件で行われ、脳波、自律神経、活動量、主観的な睡眠評価を比較しました。
検証結果
1. 主観的評価の結果
OSA睡眠調査票という心理尺度を用いたアンケート結果によると、ston sを使用した方が通常睡眠と比べて、起床時の眠気や入眠の質、疲労回復度で有意に高い評価が得られました。これは、深呼吸が睡眠の質をサポートすることを示しています。
2. 客観的評価 - 脳波
脳波測定では、ston sを使用した場合に中途覚醒の時間が減少し、最も深い睡眠であるノンレム睡眠のステージ3の割合が増加したことが確認されました。これにより、睡眠の質が向上したことが直感的に理解できます。
3. 自律神経の評価
自律神経計を用いた心拍変動の分析では、ston sを使用した際に副交感神経が優位になり、リラックス度が高まることが確認されました。これも深呼吸によって自律神経が調整される結果の一つです。
専門家の声
呼吸コンサルタントの大貫崇氏は、「寝る前の深い呼吸が睡眠の質向上につながる結果が出たことに安心しています。習慣として広がることを期待しています」とコメントしています。一方、株式会社ブレインスリープのCOO、松井大樹氏は、「深呼吸が睡眠全体に影響を与えることが確認されたことは、今後のさらなる研究の基盤になり得る」と語りました。
まとめ
今回の検証により、深呼吸を生活に取り入れることの重要性が浮き彫りとなりました。忙しい現代社会において、健康的な睡眠を確保するために、寝る前のリラックスした深呼吸を習慣化することは、非常に意義深いことと言えるでしょう。フローラルな香りやリラックス音などで深呼吸を楽しみ、心身を整える時間を持つことが、次世代の健康法として注目される日も近いかもしれません。