大型TGVガラス基板の開発
2025-05-22 10:44:26

次世代半導体技術を支える大型TGVガラス基板の開発

日本電気硝子、新型大型TGVガラス基板を開発



日本電気硝子株式会社は、滋賀県大津市を拠点に、次世代半導体パッケージに最適化された大型TGV(Through Glass Vias)ガラスコア基板を新たに開発しました。これは、レーザー改質やエッチング加工に加え、CO₂レーザー加工の両方に対応可能な特性を有しています。特に、レーザー改質・エッチングに対応した基板の初回サンプル提供が始まっており、515×510mmの大きさの基板がラインナップに加わりました。さらに、未加工の状態の原板も用意しているため、さまざまなニーズに応じた選択が可能です。

開発の背景とニーズの変化



近年、AI技術の進展とデータセンターの拡充に伴い、半導体は高度な性能と高密度化が求められるようになりました。その中で、チップレット技術の普及やパッケージ基板の大型化が進む中、平坦性や高絶縁性、高剛性を兼ね備えた無機コア基板のニーズが高まっています。底堅い需要を背景に、日本電気硝子はこの分野への注力を強め、先端材料の開発に努めています。

これまで、CO₂レーザーを用いたビア加工技術も進化を遂げており、ユーザーからの多くの要望が寄せられています。しかし、レーザー改質・エッチングによるTGV加工の需要も増加しており、同社は2020年より新しいガラス材料の開発に取り組んできました。このたび誕生した新素材は、特に効率的なビア加工を実現するために設計されています。

特性とメリット



新しいTGVガラス基板は、CO₂レーザー加工とレーザー改質・エッチング加工の両方の特性を生かしたものです。

  • - CO₂レーザー加工
- 特徴: レーザーで直接ガラスにビアを形成。
- メリット: 工程がシンプルで短縮でき、高速加工が可能。

  • - レーザー改質・エッチング加工
- 特徴: レーザーでガラスを改質し、薬液エッチングでビア形成。
- メリット: 小さな孔径や狭ピッチのTGVへの対応が可能で、エッチング面に傷ができにくい。

この二つの技術をうまく融合させることで、より小型で高性能な半導体基板の製造が現実のものとなります。

今後の計画



同社は、2024年内にCO₂レーザー対応の無機コア基板の開発をさらに進め、2028年には量産化を目指す枠組みを構築しています。さらに、レーザー改質・エッチング対応基板の市場投入により、より多くの顧客からの評価を得て、無機コア基板マーケットでの競争力を強化していく計画です。

展示会情報



今回開発された大型TGVガラス基板は、「電子機器トータルソリューション展2025(JPCA Show 2025)」に出展予定です。この展示会は、2025年6月4日(水)から6月6日(金)まで、東京ビックサイトで開催されます。興味のある方は、ぜひ出展を訪れてみてください。詳しい情報は公式ウェブサイトでもご確認いただけます。

企業情報



日本電気硝子株式会社は、1949年に設立され、特殊ガラス製品の製造・販売を行っています。特に半導体や電子機器、医療分野などでの応用が多く、世界的な特殊ガラスメーカーとしての地位を確立しています。今後も新たな技術革新を通じて、顧客の期待に応え続ける姿勢を貫いてまいります。

  • - 会社名: 日本電気硝子株式会社
  • - 代表者: 社長 岸本 暁
  • - 所在地: 滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号
  • - Webサイト: 日本電気硝子


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会社情報

会社名
日本電気硝子株式会社
住所
滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号
電話番号
077-537-1700

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