はじめに
女性らしさという概念は、時代や地域によってその受け取られ方が異なります。最近、株式会社オノフが実施した「ジェンダーバイアス意識と女性らしさの押し付け実態に関する調査」において、全国の15歳から69歳の女性を対象にした結果が発表されました。この調査の結果からは、特に地域差や性別による役割意識が浮き彫りにされました。本記事では、その調査結果を詳しく見ていきます。
調査概要
調査は、2024年の9月6日から9日までの間に実施され、回答者は全国の女性2,765人に上りました。この調査はインターネットを介して行われ、性別役割意識における地域差や、女性らしさと男性らしさに関するイメージがどのように形成されているかを探るものでした。
イメージの上位に見る性別役割意識
調査の結果、女性が考える「女性らしい」とは「家事をすること」や「育児をすること」である一方、男性らしさには「家族を養うこと」や「家庭を守ること」が上位にランクインしています。これは、依然として旧来の性別役割意識が根強く残っていることを示しています。
特に、調査結果では地点による特徴も明らかになりました。東京23区外や栃木県、広島県、さらには東海三県(愛知、岐阜、三重)が、女性らしさ、男性らしさのイメージで多くの投票を集め、特に東海三県に関しては「らしさ」への強固なイメージが感じられました。
東海三県の特徴
東海三県は特に顕著な結果を示しました。岐阜県や三重県は、男女ともに複数の項目でランキングに登場し、その中で岐阜県はなんと3項目で1位を獲得しています。愛知県に関しては男性らしさだけが上位に位置しており、地域によって性別に対する意識の違いが見えてきます。これは一体どのような背景があるのでしょうか。
根深いジェンダーバイアス
これらの結果から、性別役割の押し付けがどのように発生するかも明らかになりました。調査によれば、職場において押し付けに直面した際、67%の女性が「従った」と回答、これは全体平均よりも25ポイント以上高い数字です。上司や先輩からの押し付けに気を遣い、意見を言いにくい環境が浮き彫りにされた形です。実際に、異性の上司からの押し付けを最も多く受けているというデータも出ています。
女性同士の押し付け
興味深いことに、押し付けの対象として女性同士の関係も多く報告されています。母や祖母からの押し付けが高い割合を占め、つまり女性自らが女性に対して性別役割を強いる傾向も見受けられます。これは単に男性の問題ではなく、社会全体で根深い意識が存在することを示しています。
まとめ
今回の調査を通じて浮かび上がった「女性らしさ」と「男性らしさ」の背後には、長年培われてきたジェンダーバイアスが確かにあることが分かりました。特に地域性が顕著に現れた東海三県の結果は、今後の社会における性別役割に関する議論の重要な材料として活用されるべきでしょう。この問題は、性別に関係なく、多くの人々が再考する価値のある部分といえるでしょう。