AIを活用したホーム転落見守りシステムの実証実験
近畿日本鉄道株式会社とTakumi Vision株式会社は、奈良線の石切駅において「AIによる画像解析を活用したホーム転落見守りシステム」の実証実験を実施することを発表しました。この実験は2025年3月1日からスタートし、駅の安全性向上を目指しています。
概要と目的
本システムは、ホームに設置された複数のカメラを用いて、映像をAIで解析し、線路上にいる人を検知します。もし人が転落してしまった場合、システムは即座に異常を発見し、列車や関係部署に通報する仕組みです。このことで、駅の安全性を大幅に向上させることが期待されています。
今回の実証実験では、AI技術の検知精度や、非常通報装置との連携方法について検証を行います。これにより、将来的な本格導入に向けた課題分析が進められます。
実証実験の実施内容
実証実験の内容は以下の通りです。
1.
カメラ設置: 奈良線の石切駅2番線と3番線にそれぞれ10台ずつ、合計20台のカメラが設置されます。
2.
AIによる画像解析: カメラに映る映像をAIが解析し、「人」の存在を判定します。
3.
通知システムの検証: 線路上での転落が確認された場合、関係部署にその情報が通知されます。
実施期間
実証実験は2025年3月1日から開始され、当分の間続けられる予定です。この間に、AIの検知精度や非常通報装置との連携が実地でテストされます。
ホーム転落は、駅利用者にとって非常に危険な状況です。そのため、迅速な対応が求められます。現在の非常通報装置は、ホーム上に設置されたボタンを押すことで乗務員に異常を知らせる仕組みですが、今回の新システムはそれにAI技術を組み合わせることで、さらなる安全性の向上を目指しています。
期待される効果
このシステムが実用化されることで、転落事故の際の対応のスピードが向上し、結果的に多くの命が救われる可能性があります。また、乗客の安心感にも寄与することでしょう。近畿日本鉄道とTakumi Visionは、今回の実証実験を通じて得たデータを基に、さらに精度の高い安全対策を目指していくとしています。
駅の安全性向上に向けた新しい試みが、どのように実を結ぶのか、今後の展開から目が離せません。