七代目の挑戦
2022-01-18 14:56:32
リクルート出身の七代目が事業承継でさらなる発展を目指す
事業承継と海外進出 - 七代目の挑戦
仙台の老舗企業、門間屋は創業150年を誇る伝統的なメーカーです。ここで語られるのは、元リクルートの門間氏による事業承継の物語です。先代の急逝を受け、彼はビジネスの舵を取ることになりました。この変革を通じて、彼は会社のブランディング、技能継承、販路の開拓に力を注ぎました。
1. ブランディングの再構築
2011年の門間氏の入社当時、門間屋は140年の歴史を有しながらも、ブランド力に欠けていました。その背景には、一般消費者に向けたストーリーの発信が不足していたことがあります。彼はまず、ロゴやホームページの再デザインに着手。ビジュアル面の改善だけでなく、仙台箪笥の歴史や伝統に基づいた企業理念やビジョンを確立しました。こうした取り組みにより、社内の意識が変わり、ブランドの価値が明確になっていきました。
2. 技能継承のための体制づくり
入社当初、門間屋には5人の職人がいましたが、管理体制は不十分でした。生産の効率化や品質向上のため、日報の導入や週次ミーティングを通じて、意識の共有を進めました。その中で設備投資も行い、生産性の向上に繋げました。結果、職人は減ったものの、残った職人の技能は向上し、生産量は倍増しました。
3. 海外展開による販路拡大
門間氏の入社当時、売上は全て国内からでしたが、その後、全国の百貨店への営業を開始。1年後には全国での展覧会を実施し、3年後には仙台市内に直営店をオープンしました。しかし、後に限界が見え始め、彼は香港への進出を決意しました。2015年にはテストマーケティングを実施し、翌年には香港の百貨店内に直営店を開店。その後、香港での売上が全体の70%を占めるまで成長しましたが、コロナの影響で一時は厳しい状態も経験しました。
4. 新たな挑戦 - 香港Happy Valley店
コロナ禍の影響で売上が減少する中、香港の家賃が下落したことをチャンスと捉え、2021年12月には新たな店舗をオープン。自社での運営により、より一層門間屋のブランドを表現することが可能となりました。新店舗は、和の要素を取り入れつつもモダンなデザインを追求。内装には過去の文化財を使用し、独自の雰囲気を演出しています。また、日本の職人による高品質な製品も取り揃え、さらなるサービスの質の向上を目指しています。
このように、門間屋は伝統を重んじつつも、時代に合わせた新たな展開に挑戦し続けています。今後の成長が楽しみであり、日本の職人技を世界に広める役割を担う存在として期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
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株式会社門間箪笥店
- 住所
- 宮城県仙台市若林区南鍛冶町143
- 電話番号
-
022-222-7083