使用済紙おむつの分別処理装置「クリタサムズシステム®」の展開について
近年、急速な高齢化社会の進行に伴い、使用済紙おむつの廃棄物量が増加しています。それに対処するために、日本国内では多くの施設で廃棄物処理が行われていますが、主に焼却が一般的です。このような状況において、クリタグループが開発した「クリタサムズシステム®」が注目を集めています。
クリタサムズシステムの概要
この画期的な装置は、使用済紙おむつを焼却処分するのではなく、殺菌・洗浄・分解することによってプラスチックとパルプに効果的に分別します。これにより、廃棄物として処理されることなく、資源として再利用することが可能になります。また、この処理方法はエネルギー消費を削減し、焼却によって発生するCO2の排出量も大幅に減少することが期待されています。
実機の進展
クリタグループは、「水と環境」をテーマに持続可能な社会を目指しており、この装置の実用化に向けて数々の検証を行ってきました。環境省と連携して進めてきた実証事業を通じ、使用済紙おむつが正確にプラスチックとパルプに分別でき、その結果、焼却処分に比べて約40%のCO2排出が削減可能であることが確認されています。
1号機の導入
そして、クリタサムズシステムの事業展開が始まり、廃棄物処理業者である株式会社BEaRから1号機の受注が決まりました。BEaR社は名古屋市に本社を置き、今回の導入により、環境負荷の低減と作業効率の改善が図られることが期待されています。特に、装置の特長である破袋機能が衛生面の向上をもたらす点が評価されました。
今後の展望
今後、クリタグループでは廃棄物処理業者や地方自治体を中心に本装置の普及を進め、さらに薬剤の供給や運転管理の支援サービスも展開していく予定です。循環型経済社会への貢献を目指し、再資源化の用途拡大や、分別処理で得られるパルプ類を活用した新たな技術開発も視野に入れています。
これにより、限りある資源を有効に活用し、この取り組みが持続可能な社会の実現へと繋がることを目指しています。今後の進展から目が離せません!
参考リンク