福島の今とエネルギーの未来2025
福島第一原発事故からまもなく14年。その長い年月の中で、私たちは何を学び、どのように行動しているのか。この問いに対する答えを求める一冊、「福島の今とエネルギーの未来2025」が発行されました。これは国際環境NGO FoE Japanによってリリースされたものであり、原発事故による影響やエネルギー政策の最新情報を提供しています。
現在地の再確認
本書では、東京電力福島第一原発の事故後の廃炉と復興について詳しく取り上げています。特に、東京新聞編集委員の山川剛史氏は、事故からの道筋を明瞭に描写し、廃炉作業の進捗状況を報告。復興の費用と時間がかかる現実を再確認させられます。
除染土の再生利用
さらに、環境省による汚染土の再生利用の狙いについて、ジャーナリストまさのあつこ氏が深く掘り下げています。復興への道筋が見えにくい中で、何が本当に復興につながるのか再考を促す内容となっています。
地元の声を無視した国の方針
女川原発の再稼働については、元原告の日野正美氏が自らの体験に基づき、国の対応と避難計画の現状を批判しています。地域住民の意見が無視されている中での再稼働は果たして安全なのか、そうした疑問を投げかけます。また、規制委員会を監視する新潟の会の桑原三恵氏は、柏崎刈羽原発の再稼働に関する課題について言及しています。
使用済み核燃料の問題
本書では、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵についても触れています。市民の会の阪上武氏が解説を行い、問題点を明確にしています。これらの問題が解決されない限り、原発の未来も決して明るくはないでしょう。
エネルギー基本計画の見直し
また、FoE Japanの満田夏花氏は、現行の第7次エネルギー基本計画についてその問題点を指摘しています。大手発電事業者の不正や再生可能エネルギーへの投資状況など、多角的な視点からの分析が展開されます。
図解による理解促進
「図で見る原発とエネルギー」セクションでは、原発の稼働状況、建設コスト、世界の発電費用などをビジュアルで理解しやすくまとめています。これは教育や学習会にも非常に役立つ資料となっており、学ぶ機会を与えてくれます。
お求めやすい価格で配布
本書は500円(送料別)で手に入れることができます。A4サイズ34ページ、全てカラー印刷という、見やすいデザインになっています。興味がある方は、FoE Japanのウェブサイトから予約注文が可能です。
お問い合わせ
さらに、PDF版も無料で提供されているため、より多くの人に情報を伝える良い機会です。詳しくは、FoE Japanの公式サイトをご確認ください。電話での問い合わせも受付中です。
この新たな報告書は、風化しがちな原発事故の記憶を呼び起こし、今後のエネルギー政策を考える上での重要な資料となるでしょう。