メタシアター演劇祭2025、仮想空間での舞台芸術の新たな形
2025年11月16日から24日までの期間、仮想空間プラットフォーム「VRChat」上で開催される「メタシアター演劇祭2025」の情報が発表されました。これで第3回目を迎えるこの演劇祭のテーマは「原点回帰」。これは演劇の本質である身体性や即興性、観客との緊密な関係性を再考し、現実世界やネットではない場所、いわゆるメタバースで新たに構築しようという試みです。
昨年は、3つの劇場に加え複数のワールドで18団体が参加し、8000人もの来場者を記録しました。演劇だけでなく、ダンス、即興、音楽、ライブなど、多様な表現が1つの舞台に集まり、VRファンたちの間で大きな話題となりました。この2025年の祭りでは、さらに深く、自由なパフォーマンス体験が予想されており、すでに多くの期待が寄せられています。
第3回目の参加団体
今年の演劇祭には、14組もの多彩な団体が参加します。中でも招聘公演は、実力派若手が集結した「Dramapiaアクターズスクール2期生」によるエッジの効いた2本立てや、VRを駆使した二人芝居を提案する「VRのエンクラ」など、注目の演目が勢揃い。
さらに、VRChat即興劇練習会では、台本なしでアドリブによる真剣勝負のセッションが行われ、観客を驚かせることでしょう。また、「VR劇団 纏愚連-TenGuRen-」は、古典的な落語の名作『死神』に挑戦。観客は、単なる鑑賞者ではなく、演目の一部として参加することも可能です。
フリンジ公演では、VR劇団momentや青春コネクトが物語性を重視した正統派の演劇を披露します。オリジナルミュージカルを展開する「まとまよ」や、音楽やダンスを駆使した表現力が光る「CALICO」や「Lunatisia」など、ジャンルを超えた作品も見逃せません。また、人気ラップユニットが登場する「HIPHOP JACK LIVE」など、観客が熱狂する要素が盛りだくさんです。
観客体験の新しい形
この演劇祭は、ただ観るだけでは終わりません。観客もアバターとして会場に入り、作品によっては物語に参加することができます。昨年ベストセラーとなった「禁断の戯曲」では、観客が登場人物の1人として事件の謎を解くインタラクティブな体験が話題になりました。このように、参加者と舞台とが一体化した新たな演劇体験が提供されます。
過去の成功と今後の展望
2023年の初開催時には5000人が来場し、2024年にはさらにシアターを増設し、他ジャンルとのコラボで8000人突破を記録しました。この祭りは国内外のメディアにも多く取り上げられ、観客からは高い評価を得ています。観客アンケートには「会場で他の観客と話しながら演劇を見るのは新鮮」や「リアルよりもずっとリアル」といった熱い感想も寄せられており、今後の発展が期待されています。
主催は一般社団法人メタシアターで、協力には株式会社バーチャルパーティーやWonder Noteが名を連ねています。新たな演劇の可能性を探る「メタシアター演劇祭2025」をお見逃しなく!