IMPELLAポンプの導入
2017-09-08 15:30:04

心不全治療の新たな選択肢:IMPELLAポンプが日本で保険収載と販売開始

IMPELLAポンプがもたらす新しい可能性



日本アビオメッド株式会社が発表した「IMPELLA補助循環用ポンプカテーテル」の保険収載と販売開始は、心不全治療の分野において画期的なニュースです。特に、心原性ショックに悩む患者にとって、このデバイスの導入は大きな恩恵をもたらすと期待されています。

IMPELLAの基本情報



IMPELLAは、心腔内に挿入するポンプカテーテルであり、全身への血液循環を補助する機能を持っています。このデバイスは、左心室内に設定されたポンプを介して、血液を吸引し上行大動脈に送り出す仕組みとなっています。全体のプロセスは低侵襲で、開胸手術を必要としないため、患者への負担が少なく、早期の治療が可能です。

心原性ショックとは



心原性ショックは、心機能が低下し全身に必要な血液と酸素を送ることができない状態です。この病態が進行すると、臓器不全を引き起こし得て、最悪の場合には死に至るリスクもあります。米国国立心肺血液研究所によるデータでは、心不全の患者の約10%が心原性ショックを経験し、その半数が亡くなるという厳しい現実が報告されています。

医療現場の期待



大阪大学の澤芳樹教授は、IMPELLAの導入により急性心不全患者の治療成績が向上することが期待できると述べています。教授は、過去20年間新しい心臓補助循環デバイスが登場しなかった中で、IMPELLAの存在が新たな治療の選択肢になることに大きな期待を寄せています。

また、帝京大学の上妻謙教授も、急性冠症候群に伴う心原性ショックの患者に対するこの技術の利点を説明しています。彼の言葉を借りれば、最も病態が厳しい患者にとって、IMPELLAは心機能の改善をサポートする重要なデバイスになるということです。

アビオメッド・インクの目指すもの



アビオメッド・インクのマイケル・R・ミノーグCEOは、日本でのIMPELLAの承認は、心機能回復のための新たな治療選択肢として、患者のQOL向上に貢献できると強調しています。具体的には、心機能の回復を図りつつ、医療コストの削減をも視野に入れた戦略があるようです。

適正使用に向けた取り組み



今後、日本アビオメッドはIMPELLAの安全かつ効果的な使用を推進するため、関連学会と連携し、適正使用に関する指針を設けることになります。そして、ハートチームに向けた講習や症例のモニタリングを行い、インペラの使用が医療現場において定着するよう努める方針です。

まとめ



IMPELLAの導入は、心不全という厳しい症状に立ち向かうための新しい希望を提供するものです。心機能の早期回復が期待される中、この新しい技術の普及が、どのように医療の現場に影響を与えるのか今後の展開が非常に楽しみです。

会社情報

会社名
日本アビオメッド株式会社
住所
東京都千代田区大手町1丁目5番1号大手町ファーストスクエアイーストタワー4階
電話番号

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