日本ファインセラミックスが新工場を完成
2023年10月2日、日揮グループの日本ファインセラミックス株式会社が、宮城県富谷市に新たな窒化ケイ素セラミックス製絶縁放熱基板の量産工場を竣工し、その完成を祝う竣工式が行われました。この工場は、ハイブリッド自動車や電気自動車をはじめとするパワーエレクトロニクス分野での需要増加に応えるために建設され、今後の環境調和型社会への貢献が期待されています。
環境に配慮した新たな技術
近年、地球環境への配慮から脱炭素社会の実現が求められる中、パワーエレクトロニクス技術の進展は不可欠です。日本ファインセラミックスが手掛ける絶縁放熱基板は、電力を効率的に制御するシリコンやシリコンカーバイドを用いたパワー半導体の性能を引き出すために重要な役割を果たします。また、パワーモジュールの冷却性能を向上させるためには、この基板の優れた熱伝導率が欠かせません。
ここで特徴的なのは、同社の窒化ケイ素セラミックス製の基板が高い熱伝導率(80~90W)と優れた絶縁性、機械的特性を有している点です。これにより、自動車メーカーや基板メーカーから高い評価を得ており、2018年に量産化の決定が下されました。
新工場の概要
新工場の概要は以下の通りです。
- - 施設名: 日本ファインセラミックス株式会社 富谷事業所第2・第3工場
- - 住所: 宮城県富谷市高屋敷2番地
- - 面積: 敷地面積14,000平方メートル、第2・第3工場の面積3,000平方メートル
- - 投資額: 約25億円
- - 操業開始日: 2020年10月
この新施設は、将来的には熱伝導率を現行の1.5倍に引き上げた新製品の開発も計画されています。市場のニーズに応じた生産体制を強化し、持続可能な製品の提供を目指します。
日揮グループの環境への取り組み
日揮グループは「環境調和型社会」の実現を掲げ、様々な環境関連技術の開発と実用化を進めています。LNGプラントや再生可能エネルギー設備の構築に加え、マイクロプラスチック代替素材や水素エネルギー関連技術のビジネス化を急ピッチで進めています。
新たに完成した絶縁放熱基板製造工場は、環境負荷の低減やエネルギー効率の向上に寄与することで、持続可能な社会の実現に貢献すると期待されています。日揮グループはこれからも、環境問題対応に注力しながら、社会に貢献していく所存です。