キリンビール千歳工場のロボット導入
キリンビール株式会社が、北海道の千歳工場において四足歩行ロボット「Spot」を導入し、産業界の工場業務の自動化を推進しています。今回の取り組みは、将来的な人手不足への対応と巡回点検業務の省人化を目的としており、年間約650時間の労働時間削減を見込んでいます。これは、限られた人員で安定した設備稼働を実現するための重要なステップです。
人手不足の課題解決に向けて
労働人口の減少や熟練技術者の引退が進む中、キリンビール千歳工場では、限られた人手で設備の安定した稼働を確保するため、さまざまな自動化ソリューションを模索してきました。その中で、Boston Dynamics社の「Spot」が選ばれました。このロボットは移動しながらデータの取得や設備状態確認が可能です。
「Spot」の自動巡回点検システム
「Spot」を活用した自動巡回点検システムでは、工場内に設定した5つのルートを自律走行し、計約100箇所の設備点検を行います。アナログゲージの読み取りや設備状態を記録する作業を自動で行い、これまでの人による巡回作業の一部を効率化しました。特に、工場内部の複雑なエリアにも対応できるため、巡回業務の負担軽減に大きな効果を発揮しています。
高度なセンサー機能による異常検知
「Spot」には、サーモグラフィカメラや超音波カメラなど多様なセンサーが搭載可能です。これにより、温度異常や空気漏れ、異常兆候をリアルタイムで検知し、データを蓄積することで設備の変化を継続的に監視。異常の早期発見と効率的な保全業務を推進しています。
データ管理の効率化
ロボットの運用にはBoston Dynamics社の「Orbit」を使用し、巡回ミッションの計画や取得したデータの管理を一元化しています。また、点検データは、設備点検のデジタルソリューション「AIMOS-DX」と連携し、点検履歴の管理や分析も効率的に行える体制が整っています。これにより、日常点検や保全作業の基盤を強化しています。
今後の展望
キリンビール千歳工場では、「Spot」の活用を今後も広げる計画があり、工事現場での安全確認や進捗管理にも応用を検討しています。このロボットが取得する映像やデータを利用することで、工事状況の可視化やエンジニアの業務負荷軽減を実現し、スマートファクトリー化を進めていく方針です。持続可能な製造現場の構築を目指し、今後の発展にも期待が寄せられます。
導入の基本情報
- - 運用開始日: 2025年8月
- - 実施場所: キリンビール株式会社千歳工場(北海道千歳市上長都949-1)
- - 導入機体: Boston Dynamics社製 四足歩行ロボット「Spot」
- - 点検対象設備: 醸造・包装工場の主要設備、メーター類など(計100箇所)
この新しいアプローチによって、キリンビール千歳工場は持続可能な製造業の未来へ向けて大きく進化することが期待されます。