AI Overviewsの引用と推奨条件を解明する新しい調査結果の発表
デジタルマーケティング事業を展開する株式会社LANY(以下、LANY)は、運営するオウンドメディア「LANY LLMO LAB」で、SEO研究チャンネルの平 大志朗氏が行った分析を基にした新たなレポートを公開しました。このレポートでは、AI Overviews(以下、AIO)に関する15万件以上の日本語キーワードを対象に、AIOが情報源としてどのように引用されているのか、またブランド名が推奨される仕組みについて詳細に分析しています。
調査の背景と目的
2025年春に予定されているGoogleコアアルゴリズムのアップデート以降、国内におけるAIOの表示機会は飛躍的に増加しており、検索結果の最上部にAIが生成した情報が表示されることで、ユーザーの検索行動が変わりつつあります。これにより、AIOに表示されることが新たなユーザーとの接点を創出する重要な要素となっています。
しかし、どのようなサイトがAIOに引用され、またそれがどのようにブランドの推奨に繋がるのかは明らかではなく、これはこれまでのSEO施策とAIOの導入における関係性についても不明でした。こうした疑問に応えるため、平氏と協力し、定量的な分析を実施したのです。
調査内容と方法
本調査では、対象キーワードとして158,542件を設定し、医療、美容医療、金融、旅行など6つのカテゴリに分けてGoogle検索(日本語・スマートフォン)のデータを収集しました。主な分析内容は次の通りです:
- - AIO表示率の把握
- - AIOに引用されるURLの抽出
- - 自然検索順位との相関関係
- - AIO回答本文中のブランド名の出現
- - カテゴリ別の推奨構造の比較
調査結果の要点
AIO表示率
調査対象キーワードのAIO表示率は25.2%に達し、その中でも医療カテゴリは7割を超えることが確認されました。これはAIOが特定のジャンルに限定されず、検索画面において一般的に表示される傾向を示しています。
AIO引用されるサイトの特徴
AIOにおいて引用されるサイトは、YouTubeやWikipedia、大手メディアサイトなど、SEOにおいて強いドメインがほとんどを占めます。また、自然検索でも高順位を占めるサイトがAIOでも引用されやすい傾向にあります。とはいえ、31位以下のサイトが引用されることも多く、これは対象キーワードに関する関連情報を幅広く収集するQuery Fan-Out(サブクエリ)による影響と考えられます。
引用とブランド推奨の違い
AIOの引用とブランド推奨は、異なるロジックで決定されることが示されました。特に美容医療カテゴリでは、AIOの表示枠を持ちながらも大手クリニックの名前が推奨として登場するのは約1%程度。このことは、引用と推奨が相関しない傾向を示しています。一方、金融カテゴリでは、ポジティブな評価や口コミが存在するブランドがAIO本文で頻繁に推奨されています。
示唆されるポイント
本調査の結果からは、単一のキーワードではなく、関連するサブクエリやFAQを含めた「テーマ単位の最適化」が必要であることが示唆されます。また、ブランド推奨は自社サイトからだけでなく、第三者からの評価も決定的要因になると考えられるため、これを踏まえた戦略の見直しが求められます。
おわりに
この調査結果は、今後のSEO戦略において重要な指針となるでしょう。AIOにおける引用とブランド推奨のロジックを正しく理解し、それに基づく実践的な対応策を立案することが求められています。詳細な結果や考察はLANY LLMO LABで公開されていますので、ぜひご覧ください。
共催ウェビナーも開催予定で、専門家による解説が行われる予定です。興味のある方は参加申込をお勧めします。