ダイハツ工業のインドネシア現地法人、アストラ・ダイハツ・モーター(ADM)は、最新技術を駆使した新しい車両工場であるカラワン車両工場の第2ラインを開所しました。この新工場は、環境への配慮と生産効率を兼ね備えた先進的な設備を導入しており、2023年2月から行われたリニューアルによって新たなスタートを切ります。
カラワン車両工場は1990年代に設立され、今やトヨタグループの車両生産拠点として知られる存在です。これまでに230万台もの車両を生産してきた実績があり、今回のリニューアルにより年間36万台の生産能力を持つ重要な拠点へと進化しました。この工場のコンセプトは、ダイハツのモノづくりの哲学である「 SSC (シンプル・スリム・コンパクト)」をさらに進化させた「 E-SSC 」で、徹底した合理化と効率化を追求しています。
新工場の特徴は、環境に優しい生産技術の採用です。具体的には、工場の屋根に約5,100枚の太陽光パネルを設置し、年間の CO2 排出量を約30%削減することを目指します。また、ボデー・塗装・組立の各工程には最新の生産技術が導入され、全体的な生産性が向上しています。
例えばボデー工程では、ロボットの自動化率が向上しており、品質の向上と省人化を同時に達成しています。塗装工程では、環境負荷を軽減するための最新機器が積極的に導入され、効率的な生産環境が整っています。さらに、組立工程においては、部品物流の効率化が図られ、作業者に優しい設計が施されています。
この新しい工場は、現地での雇用と人材育成を重視し、地元スタッフによる運営が基本となっています。これにより、ダイハツの技術が地域社会に根付くことを期待されています。今後、ダイハツはこの新工場でのノウハウを国内外の他の工場にも展開し、持続可能な生産体制を確立していく方針です。
ダイハツの取り組みは、単なる生産効率向上にとどまらず、地域社会との密接な関係を築くことや、環境問題に配慮した持続可能な自動車産業の発展を促進することにあります。このように、ダイハツの新たな試みによって、地域経済や人材育成が一層進展することが期待されています。