いちご自動収穫ロボット「ロボつみ®」の実証実験
近年、農業の現場でもテクノロジーの導入が進んでおり、その象徴ともいえる存在がいちご自動収穫ロボット「ロボつみ®」です。このロボットは、福岡県久留米市に本社を置く株式会社アイナックシステムが開発したもので、今回、NTTグループの一員である株式会社NTTアグリテクノロジーによって信じられないほどの実証実験が行われることになりました。
アイナックシステムの背景
アイナックシステムは、工場と農業自動化の分野で革新を追求している企業であり、特にスマート農業の実現に向けて様々な製品を提供しています。農業用自動化機器の開発を通じて、生産効率の向上と労働者の負担軽減を目指しています。だが、彼らの強みは単なる技術だけでなく、その独自のビジョンにもあります。彼らは自動化の力を使って、より良い世界を作ることを目指しているのです。
「ロボつみ®」の特長
「ロボつみ®」には、3つの特筆すべき特徴があります。まず一つ目は、事前に設定したルートに沿って自動で走行する技術です。この自動走行は特許を取得しており、信頼性が高いと言われています。
次に、AI技術を用いて、いちごを10段階に評価し、その大きさを判別する機能があります。このAIが判断したいちごを自動で摘み取ることで、人手による収穫の労力を約60%も削減できます。さらに、収穫されたいちごは、触れずに摘み取られることにより、従来よりも約4日長持ちするとのことです。
最後に、果実収穫ハンドという特許技術を活用し、果実を優しく摘み取り、丁寧に下ろすことができます。この機能により、いちごが傷むことなく保存されるのです。花形の技術が詰まった「ロボつみ®」は、今後の農業現場での活躍が期待されています。
実証実験の目的と進展
今回の実証実験は、秋田潟上の夏秋イチゴファームで行われており、NTTアグリテクノロジーがその現場を指揮しています。実証の目的は、ロボットを用いたいちご収穫の普及モデルを構築することです。これは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構との共同事業として位置付けられています。
アイナックシステムの協力により、ロボつみ®の存在意義がさらに際立っています。この実証が成功すれば、民間企業への提供は初となることから、革新的な農業自動化の第一歩につながるでしょう。
未来への展望
いちご自動収穫ロボットの普及が現実味を帯びてきた中で、アイナックシステムは今後もその開発を継続する必要があります。自動カゴ交換システムやスピード収穫タイプといった新たなニーズも浮上しており、他作物への応用に関する相談も増加しています。将来的には、さらなる性能向上と普及拡大が期待されています。
結論
アイナックシステムとNTTアグリテクノロジーの取り組みは、いちご農業の未来を変える可能性を秘めています。ロボつみ®の存在が新たな農業の形を示す中、今後の進展が楽しみです。