九州工業大学とNTTデータMSEが産学連携で人材育成を推進
九州工業大学、Kyutech ARISE、NTTデータMSEの三者は、組み込みソフトウェア分野でのエンジニア育成を目的として、産学連携の新たな協定を締結しました。この協定により、実務で活躍しているエンジニアのリスキリングを図るための教育プログラムを提供することが決定されたのです。
背景と課題
現在、モビリティ産業や製造業においては製品の高度化が進んでおり、それに伴い組み込みソフトウェアの開発規模や複雑さも増しています。このような状況下でのエンジニアの需要は高まる一方で、少子高齢化による人材不足が深刻な課題となっています。特に、現場ではOJT(On the Job Training)を通じた人材育成が行われてきましたが、急速な業界変化によりこれだけでは十分ではありません。これに対処するため、より体系的で持続可能な育成モデルの必要性が浮き彫りになっています。
大学教育では理論教育が充実しているものの、実践的な学びとの接続が求められています。企業や教育機関が連携し、それぞれの強みを生かすことで、理論から実践までを包括的にカバーする育成モデルが必要とされています。
三者の役割
本協定の下で、九州工業大学、Kyutech ARISE、NTTデータMSEの三者はそれぞれの役割を担い、組み込みソフトウェアエンジニアリングのプログラムを展開します。
- - 九州工業大学(理論教育担当): 制御、OS、ソフトウェア工学の専門知識を基にしたカリキュラム設計を行い、学びのための理論的基礎を提供します。
- - Kyutech ARISE(翻訳・実装担当): 産学連携のハブとして機能し、大学と企業の専門知識を融合させ、社会人向けの教育プログラムを設計・運営します。
- - NTTデータMSE(現場知見提供担当): 実際の開発現場から得た知見を生かし、実践的な学びを提供します。
教育プログラムの内容
この三者の協力により、プログラムはC/C++やRTOS、マイコン制御といった基盤技術から、さらにLinuxやIoT、AI、自動運転に関する技術まで段階的に学ぶことができます。入門・初級では基本的な技術を講義と演習を通じて学び、中級以降では設計や高度な開発に必要な能力を習得することが目指されています。
プログラムでは、理論と実践の両方を持ち合わせたエンジニアの育成が求められます。単なる技術面だけでなく、要求仕様の理解や設計判断ができるエンジニアへの成長が期待されています。
代表者のコメント
- - 九州工業大学 学長 安永 卓生氏: これは社会人教育と実務を直接結びつける意義深い取り組みで、複雑な現場でも判断を行える人材を育成することに繋がります。
- - Kyutech ARISE 代表 嶺 正二郎氏: 産学連携を活かし、業界に求められている人材育成を進めていく意義を強調しました。
- - NTTデータMSE 代表 藤原 遠氏: データと理論を組み合わせた持続可能な人材育成モデルを築くことを目指しています。
今後の展望
この取り組みを通じて、三者は組み込みソフトウェア分野における教育プログラムを進化させ、特定の企業だけでなく、広く産業界全体に貢献できる育成モデルを展開していく考えです。これにより、モビリティ産業や製造業の持続的な発展を後押しすることが期待されます。