20代の未経験職転職で年収アップが進む現状とは?
近年、キャリア形成の一環として20代の未経験職種への転職が増えており、その年収の変化も注目されています。パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」の分析によれば、2019年から2023年にかけて利用した20代の転職データを元にした「未経験職種への転職」の成果が浮き彫りとなっています。
経験者採用の中の変化
中途採用市場では、経験者を対象にした求人が多く占めていますが、未経験者歓迎の求人が増加傾向にあります。具体的な数字で言うと、未経験職種への求人は過去5年間で約4倍にも増加しました。この状況を踏まえて、20代の未経験転職者も2019年度から2023年度にかけて約1.4倍に増加しています。
年収の向上とその理由
これらの転職者の中で、2023年度には約60%が年収アップを実現しており、平均的な決定年収も358万円から384万円へと26万円増加しています。この背景には、企業が未経験者を採用する際に、より良い条件を提示する必要性が高まっていることが挙げられます。
特に、クリエイティブや営業、事務といった職種では年収向上が顕著に見られました。企業はこれらの職種において、既存の研修制度を充実させ、未経験者の入社にも門戸を広げています。
20代転職者が求められるスキル
最近の傾向として、職種を超えて活かせる「ポータブルスキル」が重要視されています。特に、クリエイター職からマーケティング職への転職者に多く見られるように、職務経験を生かした新たな挑戦が評価されています。これにより、企業側も入社後すぐに活躍できる人材を欲しがる傾向が強まっています。
例えば、Webプランナーや営業職からマーケティング職へ転職する際、既存のスキルが有効に活用され、これが年収の引き上げにつながるケースも多くなりました。
転職後の成功事例
2023年度には、事務職から未経験職種に挑戦した場合、3人に2人が年収アップを実現しています。元事務職の多くは業務改善や効率化のスキルを持ち、企業がこれを評価しているのです。この結果、年収も356万円から384万円と28万円の増加が見られます。
未来の展望
2024年度以降も中途採用市場では経験者採用が中心であるものの、20代の未経験職種への転職を巡る流れはますます活発化しています。応募者が自身の強みや汎用的なスキルを理解し、それを生かしたポジションを見つけることが重要です。キャリアを自ら選択していくという意識が、転職成功の鍵になるでしょう。
特に今後は、スキルを磨きつつ、自分自身のキャリアオーナーシップを持って行動することが求められます。これにより、より満足度の高いキャリアを切り開く可能性が高まります。教育制度の改革により、企業側でも若手の未経験者育成に力を入れる動きは顕著であり、今後の転職市場にも大きな影響を及ぼすでしょう。