新型ラック型蓄電システム「PowerX Energy Blade」のご紹介
株式会社パワーエックス(以下、パワーエックス)が新たに開発したデータセンター向けのラック型蓄電システム、「PowerX Energy Blade」の製品コンセプトを発表しました。このシステムは、2027年の提供開始を目指しており、現在パートナーを募集しています。
データセンターが直面する課題
近年、AIの普及に伴い、演算インフラでは電力消費が増加しており、データセンター事業者にとって電力コストの管理や安定的な電力確保が大きな課題となっています。そのため、送配電網が混雑した際には需要を抑制する「ノンファーム型接続」の検討も進んでいます。
PowerX Energy Bladeの特長
「PowerX Energy Blade」は、こうした課題に応えるために設計された、高出力のラック搭載型蓄電システムです。最新のリチウムイオン電池セルを使用し、高速な充放電に対応しています。このシステムは、電力系統の需給変動に対してミリ秒単位で双方向に応答し、最新のAI向けGPUが必要とする800V DC給電にもしっかり対応。また、既存のバッテリーバックアップユニット(BBU)の代替としての利用も可能です。
電力需給の安定化に向けて
このシステムは、電力を消費しているデータセンターを電力需給の安定に資する系統リソースへと変革します。蓄電池が系統からの要請に瞬時に反応する中で、独自のソフトウェアによってサーバーの演算負荷を制御し、データセンターの処理を停止することなく系統サービスを提供できます。
データセンター事業者にとって、需給調整市場やデマンドレスポンス(DR)への参加を通じて新たな収益源を確保することが可能です。
経済的なメリット
この「PowerX Energy Blade」により、ピーク電力が抑制され平準化されることで、新たな契約条件の改善やサーバー設置台数の最大化などの効果が期待されます。これにより、早期の系統接続や電力供給契約の条件改善が実現できるでしょう。
未来に向けた展望
パワーエックスは、2026年2月に量産型コンテナデータセンター「Mega Power DC」を発表しただけでなく、今回の新システムにより、蓄電池を活用したソリューション領域の拡大を目指しています。これらの取り組みを通じて、AI時代を支えるための社会インフラを、電力と演算の両面から構築することに貢献していく所存です。
仕様
- - ラック規格: 21インチラック(OCP Open Rack V3準拠)
- - 電池セル: 高速充放電対応 8Cクラス リチウムイオン電池
- - モジュールあたり蓄電容量: 約3 kWh
- - ラックあたり蓄電容量: 最大48 kWh(16モジュール搭載時)
- - IT負荷(ラックあたり): 40–120 kW
- - 給電電圧: 200V DC–800V DC
※最終仕様は変更となる可能性があります。
また、ノンファーム型接続についても詳しい説明がされており、系統の空き容量を活用し、送配電網が混雑時には出力制御や需要抑制を行うことで、再生可能エネルギーを早期に連系させるための手段としています。
今回の技術コンセプトや実証データは、ホワイトペーパーとして公開されており、特設サイト(
こちら)からもご覧いただけます。