J.D. パワー 2024年ホテル会員プログラム顧客満足度調査の結果
株式会社J.D. パワー ジャパンが発表した最新の「ホテル会員プログラム顧客満足度調査」によれば、ホテル会員プログラムの総合満足度は、グローバルブランド部門の平均が662ポイント、国内系ブランド部門の平均が656ポイントとなっており、特に顕著な違いは見られないとのことです。この調査は、コロナ禍の影響を受けて中止されて以来、5年ぶりの実施となり、内容が大幅にリニューアルされています。
調査の新たなアプローチ
今回の調査では、「会員特典」「ポイント制度」「会員サイト/アプリ」「ホテルからの各種提供情報」の4つのファクターについて、顧客の満足度がどのように影響を受けているかを分析しました。その結果、「会員特典」が最も影響度が大きく、満足度において29%の割合を占めました。他の要素もそれぞれ影響を及ぼしていることが明らかになりました。
加入理由の違い
ホテル会員プログラムに加入する理由は、グローバルブランドと国内系ブランドで異なります。グローバルブランドでは、宿泊料金の優遇や特典の充実が主な理由となっているのに対し、国内系ブランドでは、利便性や手続きの簡潔さが重視されています。このギャップは、両方のブランドが提供している特典の質の違いによっても生じているようです。
特典利用の傾向
特典の利用状況についても異なる傾向があり、グローバルブランドが提供する特典には、客室アップグレードや割引サービスが多く、利用者満足度を高めています。一方、国内系ブランドでは宿泊料金の割引特典や手続きの簡便さが上位に位置し、リピーターを狙った特典の戦略が際立ちます。
ポイント制度の利用状況
調査において大きな違いを見せたのが、ポイント制度の利用状況です。16のプログラムのうち15プログラムがポイント制度を導入しており、その利用率においても差が見られました。特に国内系ブランドでは、利用しなかった人が48%も存在し、効率的なポイント利用が今後の課題として残ります。これにより、会員の満足度に大きな影響を与えることがわかりました。
総合満足度ランキング
調査結果から発表された顧客満足度ランキングは以下の通りです。
グローバルブランド部門(4ブランド)
1位:Marriott Bonvoy(686ポイント)
2位:Hilton Honors(655ポイント)
3位:ALL-Accor Live Limitless(644ポイント)
国内系ブランド部門(12ブランド)
1位:東横INNクラブカード(669ポイント)
2位:ルートインホテルズインターネット予約会員(662ポイント)
3位:リーガメンバーズ(659ポイント)
まとめ
この調査を通じて、会員プログラムがただの宿泊優遇だけではなく、ユーザーごとのニーズに合った特典やサービスを提供することで、満足度を高める重要性が明らかとなりました。宿泊料金の優遇や特典、ポイント制度の新たな構築が求められる中、顧客の信頼を得るために、各ブランドはさらに魅力的なプログラムの構築に邁進する必要があります。今後もこの市場の動向に注目が集まります。