景気動向調査：低迷する経済と設備投資の影響

景気動向調査報告：低迷する経済の現状

2025年の第204回景気動向調査の結果が発表され、経済の低迷が依然として続いていることが明らかとなりました。調査期間は2025年4月から5月で、関西地域を中心に1,600社が対象となり、623社から回答が寄せられました。今回の調査では、売上DI（景気判断指数）が前回比で△2.2ポイント減の－5.2、収益DIが△1.7ポイント減の－11.1という結果が出ており、特に製造業や卸売業においては厳しい状況が続いています。

経済動向の分析

売上DIの詳細を見てみると、製造業では－12.1、卸売業では－24.1といった低い数字が示されています。それに対し、小売業は－8.2、飲食業は4.6と比較的健闘していますが、全体的な販売数量の減少が懸念されます。物価高が続く中で、消費者のマインドは冷え込んでおり、今後の消費拡大には不安が残ります。特にトランプ関税の影響が先行きに暗い影を落としています。

2025年の7月から9月期の見通しでは、売上DIがさらに0.2ポイント減少する予測が立てられています。収益DIはわずかに0.7ポイント上昇するとされていますが、販売価格DIは2.1ポイント、販売数量DIも2.2ポイント減少する見通しで、依然として厳しい状況が続くことが予想されています。

設備投資の状況

一方、設備投資に関しても不安定な状況が続いています。「実施中」または「予定あり」と回答した企業は27.6％に留まり、総合的には前回比で後退しています。「予定あり」が減少した業種としては、卸売業、小売業、飲食業、建設業が挙げられ、これらの業種では将来に対する不安が設備投資意欲に影響を及ぼしていると考えられています。

経営上の問題点

さらに、経営にとって顕著なのは仕入単価の上昇と売上の停滞です。「仕入単価上昇」との回答は69.0％に上り、売上が減少しているとする現象も51.4％に達しています。これは経営環境の厳しさを如実に示しており、特にサービス業や運輸業、建設業においての人手不足が深刻な問題として浮かび上がっています。

夏季賞与の状況

また、夏季賞与の支給については69.5％の企業が支給姿勢を示しましたが、これも昨年と比べて横ばいの状況です。物価高や賃上げの動きに対する対応が厳しくなっている中、企業はどこまで収益環境に対応できるか不安を抱えている様子が見受けられます。

まとめ

景気動向調査の結果からは、経済の低迷が続く中で、特に物価高やトランプ関税の影響が不安要素となっていることが浮き彫りになりました。今後の経済回復には慎重な期待が求められる時期ですが、企業の設備投資意欲や消費者マインドの回復が鍵となりそうです。今回の調査は、経済の現状を把握する上で重要なデータとなるでしょう。