新たな視点での研究が示す肌と心の関係
株式会社シーボンが進めている研究が、心の状態が肌にどのように影響するかについて新たな理解をもたらしました。先ごろ、シーボンの研究グループはオキシトシンとコルチゾールという二つのホルモンが真皮に含まれるヒアルロン酸の量に異なる影響を与えることを明らかにしました。この研究成果は、2025年7月に開催される第50回日本香粧品学会学術大会でも発表される予定です。
心因性ホルモンの役割
心因性ホルモン、オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、スキンシップやマッサージによって脳内から分泌されます。対照的に、コルチゾールは「ストレスホルモン」として知られ、過度なストレスによって増加します。この二つがいかに肌に影響を及ぼすかを探ることは、心理学と皮膚科学の交差する部分での重要な研究となります。
研究の背景と目的
脳と皮膚は同じ起源を持っており、心理状態は皮膚に明らかに影響を与えるという考えをもとにシーボンは研究を進めています。オキシトシンとコルチゾールが真皮のヒアルロン酸にどのように作用するのかを分析することで、心と肌の間にある新たな関連を見出すことが狙いです。
実験方法と結果
研究では、オキシトシンとコルチゾールをそれぞれ線維芽細胞に添加しました。それに続き、RNA-seqを用いて遺伝子の変動を詳細に解析しました。特に注目したのは、真皮ヒアルロン酸への影響です。
結果として、オキシトシンがヒアルロン酸合成を促進し、コルチゾールがその生成を抑制することが分かりました。具体的には、オキシトシンがヒアルロン酸の合成を担当する酵素の発現量を増加させる一方、コルチゾールはそれを減少させることが示されています。
このことから、オキシトシンとコルチゾールが真皮でのヒアルロン酸生成において相反する関係にあることが明らかになりました。この新たな知見は、心の健康が美しい肌を保つために重要であることを示唆しています。
シーボンのビジョン
シーボンは1966年の創業以来、研究と開発を重視し、化粧品の製造・販売を行っています。全国には97店舗を展開し、独自のビューティプログラムを提供しています。このプログラムは、正しいスキンケアとサロンでの肌カウンセリングを通じて、肌の健康を促すことを目的としてきました。
今後もシーボンは、心と肌の関係を科学し、美肌を実現するための新たなアプローチを追求していくことでしょう。心が豊かであれば、肌も輝く。そんな未来が待っているかもしれません。