移設可能な木造ユニット建築「KIBLO」の魅力
住友林業株式会社は、環境問題や施工人材不足といった多くの社会課題に応えるべく、小規模事業用の木造ユニット建築「KIBLO」(キブロ)を開発しました。この革新的な建築モデルは、約10㎡のユニットを工場で製造し、現場に搬入して接合するという、従来の建築プロセスとは異なる新しいアプローチを採用しています。2030年までの長期ビジョンに基づき、当社は資源循環の推進に貢献することを目指しています。
開発の背景:社会課題の解決へ
建設業界において、環境負荷を低減し、持続可能な社会を実現するための努力が求められています。特に、木造構造による資源の再利用や長寿命化が重要視されています。しかし、施工人材の不足や高齢化が進む中で、適切な施工管理体制の維持が難しくなってきています。そこで、住友林業は資源を大切にしつつ、ユニット建築のメリットを活かした新たな技術を開発するに至りました。
「KIBLO」の特長
1. ユニット建築の革新
「KIBLO」は、ユニット同士を長辺、短辺共に接続可能で、開放感のある空間を作り出せる設計がされています。特に独自開発した幅狭耐力壁により、ユニット連結時にも使いやすさが確保されています。このことで、使い勝手の良いスペースを確保しつつ、後の解体・再利用も容易に行えるようになっています。
2. サーキュラー建築の実現
再利用が可能なこのユニット建築は、一度使用した後も簡単に移設して別の場所で再利用できます。これにより、建物のライフサイクルを延ばし、資源の循環利用を推進します。将来的には、一時利用施設としての用途も視野に入れています。
3. 工期の短縮
ユニットは、工場での基礎工事と並行して製造されます。そのため基礎工事が終了した際には、すでに完成したユニットが現場に搬入され、さらに効率よく工事が進められます。この新しいプロセスにより、従来の手法に比べて約半分に工期を短縮することが可能です。
4. 快適な室内環境
「KIBLO」は常設利用を前提とした設計が施されており、断熱等級4相当の高い断熱性能を確保。利用者の快適性を第一に考えたデザインとなっています。
GREEN×EXPO 2027での展開
2027年に開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」では、住友林業館「ひゃくの森」のバックオフィス棟として「KIBLO」を実際に使用。会期終了後には、別の場所で再利用するなど、サーキュラー建築の実証実験を行います。
今後の展望
住友林業は、2027年以降に「KIBLO」の提供を予定しており、施工力不足が深刻な地方部での需要にも応える所存です。一般流通の木材利用を進め、資源循環の実現を目指し、サステナブルな社会の構築に寄与します。また、木材を中心とした広範な事業を展開し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを続けていきます。