新たな皮膚バリア機能とその意義
ロゼット株式会社(本社:東京都品川区、社長:藤井敬二)は、宇都宮大学との共同研究により、β-ガラクトシルセラミドを主成分とする天然セラミドが新たな作用を持つことを明らかにしました。この研究は第125回日本皮膚科学会総会で発表され、皮膚のタイトジャンクション機能の強化が確認されました。
皮膚バリア機能の理解
これまで、皮膚の防御機能は主に角層バリアとして考えられていました。角層は、セラミドを基にした脂質がラメラ構造を形成し、外部からの刺激に対する防御や水分保持を行っています。しかし、最近では角層下にある顆粒層のタイトジャンクションも重要な役割を果たすことが分かってきています。タイトジャンクションは、細胞同士を密着させることで異物の侵入を防ぎますが、これまでその機能を強化できる化粧品成分はあまり報告されていませんでした。
研究の成果
本研究では、ヒト表皮細胞を用いて天然セラミドの影響を解析しました。その結果、天然セラミドはタイトジャンクション関連分子であるClaudin-1やOccludinの発現を促進し、タイトジャンクションバリア機能を強化することが確認されました。また、紫外線によるタイトジャンクション機能の低下を抑える作用も明らかになりました。これにより、天然セラミドが角層バリアと同時にタイトジャンクション機能にも寄与することが示唆されました。
宇都宮大学の研究者コメント
宇都宮大学の芋川玄爾特任教授は、「天然セラミドはこれまで角層セラミドを増やし、皮膚バリアを改善する作用が注目されてきましたが、今回の研究において新たにタイトジャンクションにも作用する可能性が示されました。これは、天然セラミドが両方のバリア機能を同時にサポートし得ることを示しています」と述べています。
今後の展望
アトピー性皮膚炎や敏感肌では、角層バリアだけでなくタイトジャンクション機能の低下も見られます。この研究成果は、敏感肌のケアやアトピー性皮膚炎に対するスキンケア、紫外線による皮膚ダメージからの保護といった分野に応用されることが期待されています。従来の水分補給に頼るだけでなく、皮膚バリアそのものを改善する新たなアプローチが示されたことは、スキンケア業界において大きな意義を持つでしょう。
ロゼット株式会社はこの知見をもとに、天然セラミドの肌への効果を探求し、製品開発に取り組んでいく意向を表明しています。これからのスキンケアの可能性が大きく広がりそうです。
発表概要
- - 学会名:第125回 日本皮膚科学会総会
- - 日時:2026年6月12日(金)9:10~10:10
- - 場所:国立京都国際会館 第10会場(1F Room C-2)
- - 発表内容:β-ガラクトシルセラミドはUVB・ADで障害される表皮タイトジャンクションを改善する