新たな名物の誕生
島根県浜田市で、地域の魅力を引き出すお土産が誕生しました。それが「のどぐろもなか」。この新銘菓は、地元の特産品である「のどぐろ」をモチーフにしており、浜田市の観光資源として期待されています。
開発の背景
浜田市は日本海に面し、豊かな漁場が広がる地域です。特に、「どんちっち三魚」として知られるノドグロ、アジ、カレイなどの水産ブランドが誇ります。しかし、お土産市場では水産加工品が多く、日持ちしないものや持ち運びにくい商品が多いのが現実です。また、観光客からは「ご当地の象徴となるお土産がほしい」との声も聞かれ、浜田市の独自のお土産が必要とされていました。
そこで地元の特産品を活かした、新しいお土産商品の開発が求められました。浜田市産の特産物を取り入れることで、観光資源を強化し、地域経済にも寄与することを目指す中、「のどぐろもなか」のプロジェクトが始まりました。
プロジェクトの骨子
この開発は島根県立大学の地域政策学部の学生たちと、地域政策の専門家、さらに地元の製菓店「錦榮堂」の協力によって実現しました。
1. アイデアの提案
「のどぐろ」を直接原材料として使用するのではなく、その形をもなかで表現することで視覚的な魅力を引き出しました。このアプローチにより、浜田市の特産品としての意義を高めつつ、製造場所の価値も付加することができました。あんこは地元である錦榮堂で製造されており、「浜田のお土産」としての一体感が生まれています。
2. 金型デザイン
のどぐろの特長を活かし、可愛らしいデザインが設計されました。オリジナルの金型は、石川県金沢市の加賀種食品工業に発注しましたが、その設計図は学生たちが手がけたものです。このプロセスでは、デザインがいかに「のどぐろ」を表現できるかが重要ポイントとなりました。
3. パッケージング
大学内で行われた文化祭でデザイン案の展示を行い、訪れた人々からのフィードバックを基にデザインをブラッシュアップしました。
4. 試食イベント
浜田市内で行われた試食イベントでは、参加者から集めた意見を次回の商品改良に活かしました。これにより、より多くの人に愛される商品へと進化しました。
「のどぐろもなか」の特徴
この新銘菓には以下のような特長があります。
1. 視覚のインパクト
のどぐろを忠実に再現した可愛らしい形に仕上げられ、浜田市の特産品としての存在感を放っています。
2. 味へのこだわり
もなかの皮のサクサク感を保つため、個別包装が施され、あんこは主に地元産の小豆を使用し、満足のいく味わいが楽しめます。
3. 持ち運びのしやすさ
個別包装により、日持ちの長さを確保し、常温でも持ち運びやすく、お土産として理想的です。
今後の展開
「のどぐろもなか」は、2025年4月より、錦榮堂本店や浜田市内の観光施設での販売を予定しています。このお菓子が「浜田市といえばのどぐろもなか」と言われるような定番商品になれることを期待しています。地域活性化の鍵となるこの新銘菓は、未来に向けてさらなる発展が期待されています。