内浜化成とNPACの革新技術
内浜化成株式会社と日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社(NPAC)は、自動車業界における注目の技術革新を発表しました。彼らが共同開発した
型内塗装技術が、トヨタ自動車の高級車「レクサスLM」に搭載されることが決定しました。この技術によって、従来の塗装方法では実現が難しかった美しい表面と高い耐久性を同時に実現し、より魅力的な車両デザインが可能になります。
型内塗装技術とは
型内塗装技術では、樹脂成形と塗装を一つの工程内で行います。具体的には、まず金型内で樹脂を成形した後、その成形品の表面に塗料を注入して塗膜を形成します。この方法により、従来の塗装ラインで必要とされる塗装ブースや乾燥炉が不要になり、生産効率が向上します。さらに、CO2排出量を最大60%削減し、VOC排出量もゼロに近づけることができるのが特徴です。
環境への配慮と高品質
内浜化成とNPACが開発した無溶剤型の塗料は、99%以上のVOC削減を達成し、従来の塗装品質を維持しています。これにより、自動車産業が直面する環境問題にも真剣に取り組む姿勢が感じられます。特に、レクサスLMのピラー部品は、窓ガラスと一体化したデザインであり、洗練されたビジュアルとともに、耐久性が求められる部位です。このような重要なパーツに新技術が採用されたことは、大きな進展を意味します。
今後の展開
内浜化成とNPACは、2025年7月から量産を開始し、その月内にレクサスLMの量産車に搭載される予定です。今後の展開として、型内塗装を用いた幾何学模様やエンボス加工、カラーバリエーションの拡充を目指しており、自動車デザインの新たな可能性を導き出すことを目指しています。この技術は、今後も多くの自動車部品に応用される見込みで、さらなる普及が期待されます。
まとめ
内浜化成とNPACの型内塗装技術は、環境に優しい生産方法と高度なデザイン性を兼ね備えた革新的な技術です。レクサスLMへの採用は、この技術の高級車市場における価値を証明するものであり、自動車産業全体への影響をもたらす可能性があります。これからの自動車業界における持続可能性と品質向上に貢献するこの技術に、今後の動向が大いに注目されます。