広島県における地域医療向上を目指す実証事業の展開
株式会社ジェイエムインテグラル(以下、JMインテグラル)は、広島県が推進する「情報通信機器を用いた診療・服薬指導に関する実証事業」の受託を発表しました。この事業は、地域医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し、医療資源が限られる地域や在宅医療の現場における新たな医療モデルを検証することを目的としています。
実証事業の背景
少子高齢化が進行する中で、医療資源の偏在や医療従事者の不足は広く見られる日本の現状です。特に広島県内では、地形や人口構成が地域ごとに異なり、医療提供体制は地域によって大きく異なります。そのため、へき地や在宅医療の分野では、安全な医療提供が困難な状況が続いています。
JMインテグラルは、この問題を解決する一環として、オンライン診療やオンライン服薬指導などの遠隔医療を新しい手段として位置付け、実証事業を通じてその可能性を探ります。この実証事業は単なる技術導入ではなく、地域のニーズに即した運用方法の確立に重点を置いています。医療の専門家たちが協力し合い、地域に根付いた医療を維持・強化することを目指します。
3つの実証パターン
本実証事業では、以下の3つのパターンを設定し、それぞれの医療現場における遠隔医療の活用を検証します。
パターンA: 巡回診療車における遠隔医療の活用
へき地における巡回診療を行っている医療機関において、診療の一部をオンラインで実施する方法の検証です。医師が常に同行できないケースでも、遠隔地の医師が診療を行い、継続的な診療を確実にすることで、巡回診療車の効率性を高めます。
パターンB: へき地医療拠点病院と診療所間の遠隔医療
へき地の医療拠点病院と最前線の診療所との連携を深めるために、訪問医師が診療の一部をオンラインで行います。これにより、移動時間を削減し、医師リソースの効率的な利用を目指しています。
パターンC: 在宅医療と訪問服薬指導
訪問医療や服薬指導を行う医療機関や薬局がオンライン服薬指導を実施する実証事業です。患者の医療アクセスを向上させつつ、医師や薬剤師が適切にサポートできる体制を整えることが目的です。
今後の展望
本実証事業を通じて、オンライン診療や服薬指導を取り入れた持続可能な地域医療の形を検証しています。地域の特性に応じたモデルを構築し、得られた知見は広島県の医療機関や薬局、訪問看護ステーションと共有し、その後の地域医療のDX推進に役立てていく方針です。また、本事業での成果は、他の自治体や医療圏でも展開される可能性を持っています。
代表のコメント
株式会社ジェイエムインテグラル代表の和泉大志氏は「この実証事業を通じて、現場で本当に使える仕組みを作ることを重視しています。広島での経験を通じて、地域医療の未来をサポートできることを誇りに思います」と語っています。遠隔医療の活用は医療の効率化を図るだけでなく、地域全体で支え合う医療モデルの構築にも寄与することを示しています。JMインテグラルは今後も地域の皆と協力して、持続可能な地域医療を実現するための活動を続けてまいります。
会社概要
JMインテグラルは2021年に設立され、自治体向けの医療関連サービスを提供しています。広島県の医療革新に貢献することを目指し、日々努力を続けています。