鉄道車両のデザインに迫る
近年、鉄道愛好家の増加や観光産業の発展に伴い、鉄道車両のデザインが注目を集めています。この度、イカロス出版より、新たに『鉄道車両デザインの教科書』が発売されました。本書は、著者である南井健治氏が、30年以上にわたって鉄道車両のデザインに従事してきた経験をもとに、鉄道車両デザインの全貌を解説するものです。
鉄道車両デザインの重要性
鉄道車両デザインの世界では、「世界一美しい車両を」といったリクエストが多く、その期待に応えるためには、デザイナーの技術と経験が不可欠です。著者は、近畿車輛で数々の国内外案件に携わる中で、どのようにデザインを形にしていったのか、その過程や工夫を詳しく教えてくれます。鉄道車両がどのように製作されるのかを深く理解することで、その美しさや機能の背後にある思考を知ることができます。
デザインプロセスの裏側
デザインというと、色や形を決定する静的な作業だと思われがちですが、実際の仕事はそれだけではありません。著者は、図面やイラストを描くことが仕事の一部であると同時に、クライアントとの調整やプロジェクトの管理、現場での実装など多岐にわたる業務が含まれることを強調しています。読者は、デザインがどのように進行し、デザイナーが何を考え、どう行動しているかを実例を交えて知ることができるでしょう。
読者対象
本書は、デザイナーを目指す方々や、すでに鉄道事業者に在籍している方、さらには鉄道車両に興味を持つファンたちに特におすすめです。デザインの本質を理解することは、より良い車両を生むための第一歩です。著者が経験したドバイメトロの事例など、少し珍しいケーススタディも紹介されており、視覚的にデザインの考え方を理解できます。
本書の基本構成
本書は、鉄道車両デザインの意味から実際の設計手法、国内外での実績まで、幅広い内容を網羅しています。章立ては以下の通りです:
- - はじめに
- - 第1章:鉄道車両デザインの意味するもの
- - 第2章:鉄道車両のデザイン
- - 第3章:日本と海外の鉄道車両デザイン
- - 第4章:鉄道車両デザインに求められるもの
- - 第5章:魅力を創る
- - 第6章:鉄道車両をデザインする
- - 第7章:車両デザインの潮流
- - 付章:ドバイ紀行
- - 終章:まとめに代えて
著者情報
南井健治氏は、1957年京都市生まれで、1979年に京都市立芸術大学を卒業後、近畿車輛株式会社に入社。以降、鉄道車両デザインに携わりながら、アメリカや香港、ドバイなどでも数多くのプロジェクトを成功させてきました。現在はフリーランスとして活躍しており、雑誌などに寄稿をしながら、鉄道車両デザインの普及に努めています。
書誌情報
- - 書名:鉄道車両デザインの教科書
- - 著者:南井健治
- - 発売日:2025年6月18日(水)
- - 仕様:A5判 / 264ページ
- - 定価:3,080円(本体2,800円+税10%)
- - ISBN:978-4-5022-1617-3
鉄道車両の魅力とそのデザインの背後にある苦労や工夫を知ることができる『鉄道車両デザインの教科書』、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。