DX推進の実態と期待
2021-10-11 13:00:03
大手企業の82.9%が社内でDX推進に取り組む中、中小企業への期待と取引の躊躇
大手企業のDX推進実態と中小企業への期待
近年、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することは、業務効率化や競争力向上に寄与する重要な手段として注目されています。特に、大手企業においてはその取り組みが顕著であり、「大手企業におけるDX推進」の調査が実施され、その結果が公表されました。
大手企業のDX取り組み状況
調査によれば、大手企業の82.9%が社内でDXに取り組んでいるとの回答がありました。この数字は、大手企業全体においてもDXの意識が広がっていることを示しています。特に「全社として非常に取り組んでいる」という回答が48%を占めており、ほかの部署を含む取り組みも行われていることが分かります。一方で、取り組んでいない企業も存在していますが、その割合はごくわずかです。
しかし、DX推進には様々な課題が存在します。調査では、最も多く挙げられた課題は「DX推進のための人材が不足」で63.7%でした。また、「アイデアや企画・戦略立案が難しい」と答えた企業も58.1%に上っています。このような課題を克服しなければ、DX推進がスムーズに進まない可能性があります。
中小企業への期待
注目すべきは、大手企業が取引先となる中小企業にもDXを推進すべきだと考えていることです。調査によると、94.4%が「中小企業もDXを推進すべき」と回答し、そのうち74.5%は「デジタル化・ペーパーレス対応」を期待していることが分かりました。このことから、DXが進んでいない中小企業と取引することにはリスクがあると考えられています。
実際に、大手企業の約7割が「DXを全く推進するつもりがない企業との取引を躊躇する」と回答しており、その理由として「生産性を上げる取り組みに前向きな姿勢が求められるため」や「セキュリティーやコンプライアンスが整備されていない場合は、自社も影響を受けるため」などが挙げられました。
また、自社のDX推進が妨げられる可能性もあることから、取引先のDX状況はますます重要視されるようになってきています。
外部委託の推進
さらに調査では、DXの推進や業務効率化のために外部委託に前向きな大手企業が約8割に達することも明らかになりました。外部リソースの使用においては、コンプライアンス対応や過去の実績などが選定基準として重視されることが分かりました。これは、今後の企業活動において、一層の透明性や信頼性が求められることを示しています。
リモート会議と電子契約の導入状況
コロナ禍を経てリモート会議のニーズが高まる中、大手企業の55.6%が「社外の人ともリモート会議を多用しており、特に問題はない」と回答しています。しかし、38%は「社外の人とリモート会議をしたいが、先方が対応できず、やむを得ず対面での対応となることがある」と回答しており、今後の課題として残っています。
また、電子契約を利用している部署は約7割に達していますが、その取引先が電子契約に対応しているのは50%未満という結果も出ており、中小企業のDX推進が急務であることが証明されています。
まとめ
今回の調査結果は、大手企業と中小企業のDXとの関係性がますます重要視される中で、今後の企業戦略に影響を与える要素が多々あることを示しています。企業全体がDXを推進し、効率的なビジネススタイルを確立するためには、協力と相互の受容が不可欠であり、特に中小企業の取り組みが期待されています。
会社情報
- 会社名
-
一般社団法人中小企業個人情報セキュリティー推進協会
- 住所
- 東京都新宿区市谷田町1-19-2 ECS第19ビル5F
- 電話番号
-
03-4405-5181