近年、都会暮らしが当たり前になっている私たちが、地域とのつながりの重要性に目を向ける時が来ました。そのきっかけとして、首都圏での米価格の高騰が挙げられます。要するに、お金があっても手に入らない事態。これこそが、現代社会の脆弱さを示しています。
そこで感じたのは、お金よりも人とのつながりが重要なのではないかということです。たとえば、長野県の人々から米を送ってくれると言われた時、そのやさしさは単なる助け以上に、私たちの生き抜く力となりました。
この経験を通して、私たちHue-ishは「頼れる地域との関係」が今後の生存戦略になるのではないかと考え始めました。便利な都市生活の裏に潜む脆弱性、そして地方で残るたくさんの資源。そのどちらも暮らしに欠かせない要素であることに気づかされています。
私たちが提案したいのは、「自立」から「地立(ぢりつ)」への移行です。自立が個の力に重きを置くのに対して、地立は多様なつながりの中でしなやかに自分の軸を育てていく新しい暮らし方です。この新たな生き方には、2つの価値が含まれています。
1つ目は、地域とのつながりが幸福度を高めるということです。内閣府の調査によると、地域コミュニティに積極的に関わる人々は、主観的な幸福感が高いことが分かっています。人との関わりは孤独を避け、多くの人生の選択肢をもたらしてくれるのです。
2つ目は、資源へのアクセスが生存戦略となるという点です。近年、食料やエネルギーの不安定さが現実味を帯びてきています。都市に閉じ込められた生活ではなく、地域と支え合う関係を築くことで、自分自身と家族を守る力になると考えています。
さらに、二地域居住の流れが高まりを見せており、都会にもう一つの拠点を持つ人が増えています。これはテレワークの普及や防災意識の高まりを背景にした動きです。国土交通省の調査でも、二地域居住を希望する人の割合が増加していることが示されています。
しかし、地域との関係を続ける難しさも認識しています。一度訪れて終わるような関係ではなく、日常生活の中で関係を育むことは困難です。特に時間やお金に制約のある人にとって、息が長い関係を維持するのは難しいのが現状です。これまでは、ガッツリ関わるか、まったく関わらないという選択肢ばかりだったように思います。
私たちは、その中間に位置する「ゆるく、でも確かに関わり続けられる」関係性を目指しました。そして生まれたのが、たちまちの新しいライフスタイル、「地立日和(ぢりつびより)」です。
このプロジェクトは、地域に根ざしつつ自分のペースで暮らす人々を増やすことを目的としています。「自立」ではなく「地立」に重きを置いて、地域に関わりながら過ごすことができる未来を描いています。
具体的には、地域住民から農作物を受け取り、対話を通じて感謝の意を示します。これにより、食を起点にした感謝の循環を進めていきたいと思っています。さらに、地域の魅力を見つけ、発信することでファンを増やす活動も行っています。
2024年には、長野県根羽村と我々Hue-ishが共同で開催するツアープログラムの参加者との対話を通じ、この活動を具体化する計画です。都市生活の中で、地域の恵みが安心感につながる新しい「備え合い」の形を夢見ています。
私たちの活動に興味を持った方、または少しでも共感して下さった方は、ぜひLINEに登録してください。地立日和プロジェクトはまだ構想段階ですが、一緒に実践し、探求していく仲間を探しています。あなたの参加を心待ちにしています!
Hue-ish株式会社は、地域と人、そして組織の関係を新たな形で作り出す事業を展開しています。今後もこのプロジェクトを通じて、全国に新しいつながりを広めていきたいと考えています。