都城市とEssenが手掛ける新たな観光PR手法、モビリティ広告『WithDrive』の成功事例

都城市とEssenが取り組む新たな広告手法

2024年10月から12月にかけて、宮崎県都城市のデジタル統括課と株式会社Essenは、共同で運営するモビリティ広告プラットフォーム『WithDrive』を活用したミートツーリズム認知拡大キャンペーンを大阪市内で実施しました。このプロジェクトでは、10台の配送車を利用して肉と焼酎の魅力を訴求するラッピング広告が展開されました。

プロジェクトの背景

モビリティ広告は、走行中の車両を媒体として利用し、視認性の高い形で情報を発信します。今回の取り組みは、特にミートツーリズムというテーマに焦点を当てており、肉の消費促進と観光の両立を目指しています。広告の効果を最大化するために、車両走行データと人流データを組み合わせ、どのような人々が広告に接触したのか、またその後どのような行動をとったのかを詳細に分析しました。

広告キャンペーンの成果

結果として、10台の広告車両が110万人に接触し、31万人が広告を視認しました。最終的には、1,281人が実際に都城市を訪れることとなり、経済効果は約1,208万円に達しました。この結果は、広告接触者の来訪率が0.06%から0.36%に上昇したことを示しています。特に、関西圏の接触者が宮崎県に実際に足を運ぶことができた点は、モビリティ広告の高い効果を示す証拠となりました。

経済効果の詳細

都城市を訪れた観光客の滞在時間についても詳細な分析が行われました。日帰り客と宿泊客の割合はそれぞれ15%と30%で、訪問者一人あたりの日帰り平均消費額は7,241円、宿泊客は27,825円とされています。これを基に試算すると、合計で12,086,404円の経済波及効果があります。これは、モビリティ広告が地域経済にどれほど貢献するかを示す明確なデータとなりました。

広告接触の行動特性

さらに、GPSベースのビッグデータを用いることで、広告を見た人数だけでなく、年齢や性別、興味関心に至るまで多面的に分析しました。特に、肉料理に興味を持つ層が高いことが確認され、対象市場への訴求効果の高さが裏付けられました。また、広告接触者の中には即時に行動へ移る層が多い一方で、長期間にわたって関心を持ち続ける層も存在することが分かりました。今後の施策展開において、これらの行動データを基にした戦略が重要になるでしょう。

今後の展望

都城市は、デジタル化推進に力を入れており、今回の広告キャンペーンが新たな道筋を開く可能性を秘めています。また、Essenの代表は、物理的な距離を超えて地域活性化が進む可能性を語り、今後もデータドリブンなまちづくりを進める意向を示しています。地域と企業が連携し新しい広告手法を模索していく姿勢は、他の自治体にも良い刺激を与えることでしょう。