藤崎彩織の新作『ねじねじ録』が待望の文庫化
11月6日、株式会社文藝春秋から人気エッセイ集『ねじねじ録』が文庫版として登場しました。この本は、バンドSEKAI NO OWARIで「Saori」としても知られる藤崎彩織さんが、自身の心の葛藤や日常の悩みについて率直に語った作品です。
著書の表紙を飾ったのは、大人気イラストレーター牧野千穂さんによる美しいカバー絵。この表現はまるでアンティークのオルゴールのようだと評されています。
藤崎さんはこの本で「私の悩み方は『くよくよ』でも『うじうじ』でもなく、『ねじねじ』である気がする」と述べています。仕事や育児に苦労する毎日を綴った本書は、辛い時に手に取ることで心の救いを得られる一冊になるでしょう。
文庫版には、現在の心境を反映した新たなエッセイも追加されています。この新作に対する期待は高まり、多くの読者がこの文庫化を心待ちにしていました。
さらに、本書に込められた思いや魅力について、解説者の彩瀬まるさんからは「悩み続けることは、強さや美しさの一種なのだと教えてくれる本でした」とのコメントが寄せられています。自分自身も藤崎さんと共に「ねじねじ悩んでいきたい」と感じさせる内容だそうです。
また、単行本の担当編集者である篠原一朗さんは、藤崎さんとの緊張感あるやり取りについて語り、彼女の作品には強い絆があると述べています。しかし原稿のやり取りは常に真剣で、「表現がありきたりです」といった厳しいフィードバックも行われます。毎回期待以上の修正を施してくる藤崎さんに驚かされることも少なくないといいます。
藤崎彩織さんは1986年に大阪府で生まれ、2010年に音楽シーンに登場しました。その後、バンドSEKAI NO OWARIのメンバーとして圧倒的な存在感を示してきました。デビュー以来、ピアノ演奏やライブ演出、作詞・作曲など幅広く手がけ、同バンドの活動と並行して文筆活動にも取り組んでいます。2017年に刊行された初小説『ふたご』は大きな話題を呼び、直木賞候補にもなりました。
これまでの著書には『読書間奏文』や『ざくろちゃん、はじめまして』などがあり、彼女の書く文章には常に多くの読者が注目しています。
本書『ねじねじ録』は、悩みや不安を抱えるすべての人に寄り添ったエッセイであり、その共感する姿勢が多くの支持を得ている理由かもしれません。読者は、藤崎さんの経験と感情が詰まったこの文庫版を通じて、少しでも心の安らぎを感じることができるでしょう。
書誌情報