ローヤルゼリーとその肌への影響
最近、岡山県に本拠を置く株式会社山田養蜂場の美容科学研究所が近畿大学薬学総合研究所と共同で行った研究により、ローヤルゼリーの肌に対する効能が科学的に裏付けられました。この研究では、ローヤルゼリーが表皮幹細胞を活性化し、老化を遅らせる可能性が示されており、今後の美容業界において注目されるべき成果となっています。
研究の背景
皮膚の最表面である表皮は、体のバリアとして機能し、様々な外的要因から体内を守っています。表皮は常に新しい細胞と入れ替わるターンオーバーを行い、健康な肌を維持しています。しかし、年齢を重ねるにつれてこの過程は衰え、さまざまな肌の悩みが発生します。特に表皮幹細胞の機能低下は、ターンオーバーの乱れにつながるため、特に注意が必要です。
ここで注目されるのがローヤルゼリーです。ミツバチが生産するこの天然物には、40種類以上の栄養素が含まれています。特に注目されるのは「10-ヒドロキシ-2-デセン酸(デセン酸)」で、これが肌に良い影響を与えるのではないかと考えられています。
研究の方法
本研究では、三次元表皮モデルとヒト表皮由来角化細胞を用いて、ローヤルゼリーが表皮幹細胞に及ぼす影響を詳しく調べました。この方法により、実際の肌の環境に近い条件下での実験が可能となり、より信頼性の高いデータが得られました。
研究結果
研究の結果、ローヤルゼリーは表皮幹細胞を活性化し、細胞老化を抑えることが確認されました。具体的には、ローヤルゼリーを添加した条件下では、表皮幹細胞マーカー(p63)が増加し、細胞の健康を示すマーカー(Ki67)も亢進することがわかりました。また老化を示すマーカー(p21やp16)の発現が減少したことから、細胞の活性を維持し、老化を遅らせる効果があると考えられます。
今後の展望
今回の研究により、ローヤルゼリーが持つ大学的な効果が明らかとなり、この成分を利用した商品の開発が期待されます。また、ローヤルゼリーが全身に及ぼす作用についても今後研究が進められる予定であり、多岐にわたる美容効果が期待されます。
参考文献
- - 論文タイトル: Royal Jelly Maintains Epidermal Stem Cell Properties by Repressing Senescence
- - 著者: 森山麻里子、三宅祐有子、奥村暢章、森山博由
- - 雑誌情報: Biological and Pharmaceutical Bulletin, 2024;47(12):2041-2049.