戦争を通じた子どもたちの貴重な経験を伝える展示
愛知県豊橋市の中央図書館で、2024年7月13日から9月1日まで、「第7回平和を求めてとよはし」展が開催されています。今回の展示は「『あの日あの時』を忘れない―子どもだった私たちの戦争体験」と題し、戦争に巻き込まれた子どもたちの厳しい現実を紹介するものです。
展示では、アジア・太平洋戦争が激化する中、子どもたちがどのように戦争に協力を求められていたかが示されています。食料増産のために働く必要があり、軍需工場に動員されるなど、当時の子どもたちは大人と同様に労働力として認識されていました。このことは、子ども向けのカルタやすごろく、雑誌にも取り上げられ、社会的なメッセージとして強調されていました。
展示される資料は約100点、関連する図書も約100冊用意されており、当時の教科書や市内小学校の記念誌などが含まれています。これらの資料は、戦時中の厳しい環境で生きた子どもたちの実態を知る大切な情報源となっています。
また、この展示では、1945年の終戦を国民学校2年生(8歳)で迎えた現在87歳の5名の戦争体験がパネル展示されます。これらの体験者は、県立時習館高校の卒業生であり、昨年、戦争体験をまとめた冊子「『あの日あの時』」の執筆者です。彼らの証言を通じて、豊橋の街がどのようにボロボロになっていったのか、また彼らがどのようにして火の海を逃げ回り、復興の中で生活する苦しさを経験したのかが語られます。
これらの貴重な証言は、戦争体験者が高齢化していく中でますます重要になっています。豊橋空襲や三河地震など、戦争末期に直面した様々な苦境が、彼らの語りによって生き生きと伝えられています。
展示会は入場無料で、7月15日と8月12日の祝日にも開館しますが、休館日は毎週月曜のほか、7月16日、7月26日、8月13日、8月23日です。開館時間は平日が9:30から19:00まで、土日祝日は17:00までの営業時間となっています。
この展示を訪れることで、私たちは過去を学び、戦争の悲劇を忘れずに次の世代へと伝えていく必要性を再確認する機会となります。ぜひ皆さんもこの貴重な体験を通じて、平和の大切さを考えてみてはいかがでしょうか。