FCEとライフツービッツの業務提携の詳細
企業間の協力関係が深まる中、株式会社FCEとライフツービッツ株式会社が手を組み、教育アプリ事業に新たな風を吹き込むこととなりました。FCEが開発した「フォーサイト手帳アプリ」とライフツービッツの「ネココロ」が連携し、生徒の心身健康支援を強化する取り組みが始まります。この提携は、学校や教育委員会を通じて導入が進む「心の健康観察」の制度において、大いに役立つと期待されています。
提携の趣旨
FCE(本社:東京都新宿区)は、同社が手掛けるフォーサイトアプリとライフツービッツ(本社:東京都渋谷区)が提供する「ネココロ」を連携させることで、心身の不調が見受けられる生徒を早期に発見し、適切な支援を行うことを目的としています。子どもたちの「心の小さなSOS」を察知し、適切な対処を可能とするこの仕組みは、特に心の健康問題が深刻視される現代において重要な意味を持っています。
提携の具体内容
この業務提携には、二つの主な施策が盛り込まれています。
1.
フォーサイトアプリとネココロのパッケージ展開
フォーサイトアプリとネココロを組み合わせたパッケージ商品が展開される予定です。学習塾や教育委員会が心の健康観察を取り入れる動きが進む中、両アプリの連携は多くの教育現場において大きな効果をもたらすと見込まれています。
2.
ネココロ単体の販売連携
FCEがネココロを導入する顧客に案内し、導入時には初期費用や年間利用料の一部をFCEが収益化するモデルも用意されています。これにより、より多くの教育機関での導入が期待されます。
GIGAスクール向けアプリ「ネココロ」について
「ネココロ」は、文部科学省の委託により開発されたアプリで、生徒の心身状態を観察し、健康支援を行う機能を搭載しています。特に不登校やいじめ、自殺という深刻な課題への早期対応を可能にするためのツールです。児童生徒が日常的に心の状態をチェックできることで、心身の健康を保つ基盤を作ります。教職員にとっても、生徒のSOSを早期に見つける手助けとなるでしょう。
ライフツービッツの実績
ライフツービッツは、デジタルメンタルヘルスの分野で先駆けて活動しており、認知行動療法やAI技術を応用したアプリを開発しています。特にストレス対策やメンタルトレーニングに関する実績も多く、直近では京大との共同開発による成果が国際学術誌に掲載されるなど注目が集まっています。
FCEの提供する「フォーサイトアプリ」
フォーサイトアプリは、生徒の主体性を育むPDCA(計画・実行・評価)のサイクルをサポートするデジタル手帳です。これと「ネココロ」の連携により、子どものSOSをリアルタイムで把握し、支援の精度を高めることが可能となります。
社会的背景と今後の展望
現代の学校教育では、成績向上だけでなく、心と生活の安定が重要視されています。文部科学省の調査によると、不登校の小中学生は過去最多を更新し、自殺者数も例年同様の傾向を示しています。こうした状況を受け、心の健康観察を120以上の自治体で導入が開始されています。今後は、FCEとライフツービッツの提携による「ネココロ」×「フォーサイトアプリ」のモデルが、教育現場における重要なソリューションとして機能していくことでしょう。
FCEとライフツービッツは、2026年までに連携モデルの商用化を予定しており、教育分野におけるICTの新たな可能性を切り開いていくことに期待が寄せられています。教育現場における心の健康支援が革新される中、子どもたちの成長を全力でサポートする体制が整いつつあるのです。