美波町の海が直面する磯焼けの危機
徳島県美波町は美しい海に囲まれた地域ですが、今、その海は「磯焼け」と呼ばれる深刻な問題に直面しています。この現象は海藻が減少し、海の豊かさが失われることを意味しており、その原因の一つは海水温の上昇とされています。また、アイゴやブダイといった草食魚の増加によって、アワビやウニなどの水産資源が食害を受けている状況です。
磯焼け対策の必要性
磯焼けは単に海の景観を損なうだけでなく、漁業への影響も甚大です。地元漁業者たちはこの問題に危機感を抱き、解決策を模索しています。そこで設立されたのが、「一般社団法人藻藍部(もあいぶ)」です。この団体は、漁業者、企業、行政が手を取り合い、官民連携で磯焼け対策に取り組むことを目的としています。
新たなアプローチで海を再生
藻藍部では、食害をもたらすアイゴを「駆除」するのではなく、「活用」することで環境再生と地域経済の活性化を図っています。その取り組みは、以下の5つのアクションに分けられます。
1. 漁獲する
美波町と連携し、食害魚の取引を促進するための補助金制度が導入され、これまでに3.3トンの食害魚が取引されています。
2. 加工する
地元のフレンチレストランや高校生と協力し、アイゴを使用した生ハムやフィッシュカツ、さらにはペットフードなど、様々な加工品を開発しました。これにより新たな市場を拓く試みが行われています。
3. 販売する
開発された商品は、展示会での出品、ECサイトでの販売、ふるさと納税返礼品としても登場し、東京の寿司店との取引実績も得ています。これにより販路も広がりつつあります。
4. 再利用する
シイタケの廃菌床を活用して藻場増殖資材を製作し、地域の小学生と一緒に環境教育プログラムを実施しています。地域の廃棄物を海の再生に役立てるという新たな試みが進行中です。
5. 育てる
藻場再生の活動を通じて微量ながらも藻場面積が増加し、炭素吸収量も増加していることが確認されています。藻藍部は、「Jブルークレジット」の認証を申請しており、2025年度内の徳島県初の認証を目指しています。
寄附の活用方法
藻藍部では、寄附を義務づけることで母藻の設置強化や海藻の培養、草食魚の防除網設置、さらには藻場のモニタリング調査の拡充を行う予定です。この活動を通じて、美波町の海を未来の世代に繋げていきたいと考えています。
一緒に未来を創る仲間に
皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。美波町の豊かな海を守り、未来に繋げるための活動に参加してください。あなたの支援が、地域の海を再生する力となります。詳しくは、プロジェクトページでご確認ください。
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