パルシステム協同組合、電動パワーリフター導入で作業効率化へ
生活協同組合のパルシステム東京と神奈川が、商品の積み込み作業に新たに電動パワーリフターを導入しました。この取り組みは、職員の作業負担の軽減や配送業務の効率化を目的としています。特に、初号機の納車式が行われた三鷹センターでは、パワーリフターがどのように活用されるのか、その影響について対話が交わされました。
電動パワーリフターの特性
今回導入されたパワーリフターは、ピー・シー・エス株式会社が製造したもので、株式会社をくだ屋技研によって生協宅配に適した特別仕様に改良されています。それぞれの組合に1台ずつ、合計2台が納品され、これにより職員がトラックへの積み込みをより簡単に行えるようになります。男女問わず、体力に頼らずともスムーズに作業が進められるため、作業者のストレス軽減に寄与します。
このパワーリフターは、一度の充電で約100回の上昇と下降ができ、47台の配送トラックへの積み込みも円滑に行えるという特長があります。手作業に比べて積み込み時間が大幅に短縮され、業務の効率化が図られることが期待されています。
労働環境の改善と未来のビジョン
パルシステム東京の市嶋業務執行理事は、この取り組みが労働環境の改善につながると期待を寄せています。また、冷蔵品の配送において必要な蓄冷材の取り扱いでも、パワーリフターは大いに役立つでしょう。通常は500〜800gの軽量物を1日で100個以上積み下ろししなければならず、それが職員にとって大きな負担になっていましたが、今後はこのリフターの活用によってそれが大幅に軽減される見込みです。
特に注目すべきは、パワーリフターが積み上げた商品箱が転倒しないように設計されている点です。フォークリフトの爪部分が改良され、より安全に使用できる仕組みが整えられています。
新たな導入計画
今年度、パルシステム東京では、さらに3台、パルシステム神奈川では6台のパワーリフターの導入が予定されています。また、パルシステム千葉や茨城栃木にもそれぞれ1台、合計11台の導入を計画しています。これにより、生協宅配サービスの更なる効率化が期待されています。実際の作業を通じて改善点を見つけながら、ピー・シー・エスやをくだ屋技研と協力し、さらなる改良を目指していく方針です。
従業員の声と今後の展開
納品式では、参加者たちがこの新しいシステム導入に対する期待を語りました。田所社長は、肉体的負担の軽減や安全性の向上に貢献できることを喜ぶコメントを残し、さらなる自動化に向けた展望を示しました。
一方、市嶋理事は「生協業界の人手不足という課題を解決するため、多くの細かい改善点と向き合い、この2年もの間、手間をかけて導入を進めてきた。」と語り、引き続き職員の働く環境改善に努める意向を示しています。
今後、パルシステムは従業員が実感できる改善を進め、働きやすい職場作りを目指すとともに、国際協同組合年を迎える2025年を見据え、その取り組みをさらに加速させていくことでしょう。