パラマウントベッドがカルディオを子会社化し医療事業を拡大へ
パラマウントベッド、カルディオを子会社化
小児心不全治療の新たな拡大へ
2023年10月、パラマウントベッド株式会社は、株式会社カルディオの株式の過半数を取得し、子会社化することを決定しました。この決定は、小児患者に特化した補助人工心臓の供給と医療事業のさらなる拡張を目指しています。
カルディオ社は2001年に設立され、小児用の体外設置式補助人工心臓システム「EXCOR® Pediatric」を提供しています。これはドイツのベルリンハート社によって開発されたもので、日本国内においては2015年から導入され、保険適用も実現しました。
小児心臓移植の現状
日本では、心臓移植を待つ小児患者が多く、ドナー不足から移植まで数年を要することが一般的です。この背景を受けて、カルディオ社の補助人工心臓が重要な役割を果たしています。このシステムは、移植待機中の小児患者に対し、救命や健康状態の維持を支援し、医療技術の発展に寄与しています。
経営理念とシナジーの期待
カルディオ社は、「最先端医療機器の提供だけでなく、疾患の予防や症状緩和による生活の質の向上」を経営理念としています。パラマウントベッドの「WELL-BEING for all beings」というブランドメッセージとも響き合う部分が大きく、両社の連携によってさらなる医療の進展が期待されます。
今後、グループ一体となって小児重症心不全患者への治療支援を行い、社会貢献を目指します。
介護事業の拡充と新たな投資
パラマウントベッドは、1947年の台頭から介護用ベッドや健康事業へと展開してきました。医療現場のニーズに応じたベッドサイドケア情報統合システムや睡眠計測センサーなど、最新の技術を用いた製品を積極的に提供しています。昨年にはハートラボ株式会社を買収し、新たな心不全治療に関するプログラムも導入しました。これにより、さらなる事業成長を目指しています。
カルディオ社社長の想い
カルディオ社の柳裕啓代表取締役社長は「小児重症心不全患者を救うことは社会にとって重要な課題であり、医療従事者との協力と情熱が必要不可欠」と話しています。体外設置式補助人工心臓システムは、安定供給が求められる医療機器であり、パラマウントベッド社の傘下に入ることでその供給体制が強化されると確信しています。
今後の展望
パラマウントベッドによる株式の取得は2025年7月末を予定しており、その期間中もカルディオ社の独立性を維持しながら支援を行う方針です。このビジョンを通じて、小児心臓病治療の新たな道が切り開かれることでしょう。小児重症心不全の治療支援を強化するこの取り組みが、医療界全体にプラスの影響をもたらすことを期待しています。
会社情報
- 会社名
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パラマウントベッドホールディングス株式会社
- 住所
- 東京都江東区東砂2-14-5
- 電話番号
-
03-3648-1111