太陽光発電の安全性向上を目指した新システムが文部科学大臣賞を受賞

新技術が太陽光発電を支える

2025年度の東北地方発明表彰で、東北電力株式会社が新たに開発した「PV遠隔安全診断システム」が、名誉ある文部科学大臣賞を受賞した。このシステムは、太陽光発電設備の保守点検業務の効率化を目指し、株式会社アイテスと共同で進められた。「PV」とは、フォトボルタイクの略で、太陽光を電気に変換する技術を指す。この新たなシステムは、IoTセンサーの活用により、従来は現地で行われていた太陽光パネルの電気的健全性診断を、遠隔でクラウド環境を通じて実施できる点が特長だ。

発明表彰の意義

東北地方発明表彰は、大正10年に設立された歴史ある表彰制度で、地域産業の振興や科学技術の向上に大きく寄与することを目的としている。今回受賞した文部科学大臣賞は、同表彰の中でも最高峰の栄誉といえる。東北電力にとってこの受賞は初であり、関係者からも喜びの声が上がっている。

システムの詳細

新しいPV遠隔安全診断システムは、太陽光発電設備に設置されたIoTセンサーで収集したデータを、リアルタイムでクラウドに送信し、診断結果を分析する。このシステムが提供する最大の利点は、異常が発見された場合に、すぐに保守点検者へ通知されることだ。これにより、現地での迅速な対応が実現し、太陽光発電設備の安全性がその分高められる。