トンネル覆工作業を助ける自動結束ロボット
建ロボテック株式会社と大栄工機株式会社が、トンネル覆工の鉄筋を自動で結束するロボットの共同開発を発表しました。本プロジェクトは、建設現場における省力化と省人化を実現するための新しい一歩として注目を集めています。
トンネル覆工とは
トンネル覆工とは、トンネル内部を保護するコンクリート部分のこと。この覆工が劣化や剥落を防ぎ、トンネルの安全を確保します。しかし、その施工には高所での不安定な作業が伴い、労働者にとって負担が大きい作業対象でした。このため、作業の効率化が求められていました。
共同開発の目的
今回のロボットは、建ロボテックが開発した結束モジュールを、大栄工機が提供する専用アーチ型台車に搭載する形で構成されています。ロボットは、鉄筋の交点を自動で検知し、活用しながら結束作業を行います。このプロセスにより、職人が行った配筋作業の後を自動でフォローし、作業を分担する仕組みが整います。これにより、高所での危険な作業を軽減し、作業の生産性を向上させることが期待されています。
今後の展望
今後は、更なる自動化システムの実現に向けた開発が進められ、具体的には鴻池組と協力しトンネル現場での実用化を目指します。この自動化が実現すれば、暗闇の中でも無人で作業を行うことが可能になり、深夜作業の実行も容易になります。これにより、工期短縮にも寄与することでしょう。
大栄工機株式会社の紹介
大栄工機は、滋賀県長浜市に本社を構える企業で、各種鋼製型枠の設計・製造・販売を行っています。トンネル用機材や土木資材の分野でも広く知られ、業界内での信頼を築いています。
建ロボテック株式会社について
建ロボテックは、建設現場に特化した省力・省人化ロボットの開発企業で、2013年に設立されました。創業者は建設現場の出身者であり、長年の経験を基にしたソリューションを提供しています。「トモロボ」シリーズは、職人と協働して作業を行うことを目指し、生産性の向上を図ります。
まとめ
今後の建設分野において、技術革新が進む中、建ロボテックと大栄工機の共同開発は、その先駆けとなるものです。トンネル覆工作業の自動化は、安全性の確保や作業者の負担軽減に直結し、建設業界全体に良い影響を与えることでしょう。