新型バリ取り装置「JDM」について
製造業界における人手不足が叫ばれる中、新たな解決策として株式会社スギノマシンが開発した「JDM(Jet Deburring Machine)」が注目を集めています。この装置は、最大70MPaの高圧水を使用し、優れた精度でバリ取りを実現するものです。バリ取りとは、金属や樹脂加工時に生じる余計な突起を取り除く作業で、製品の品質を保証するために欠かせない工程です。特に、この装置のウォータージェット技術は、従来の方法では手が到達できなかった部位にも簡単にアクセスでき、作業の効率を大幅に向上させます。
JDMの特長
1.
高圧バリ取り性能
JDMは、従来機と比較して圧力を40%向上させた70MPaを実現しました。この高圧により、従来取り切れなかったバリも容易に除去可能となり、幅広い應用に対応します。
2.
コンパクトな設計
装置の幅はわずか1,080mmで、限られたスペースにも設置可能。これにより、生産現場における自動化が進むとともに、設置場所を選ばない利点があります。
3.
特製ノズルの搭載
新開発のNTノズルは、流体が衝突するまでの拡散を最小限に抑え、高品質なバリ取りを実現します。また、ノズルの切り替えが容易で、作業のサイクルタイム短縮も図れます。
4.
経済的な価格設定
JDMは水溶性クーラント液を使用しており、構成部品の見直しによりコストダウンを図っています。これにより、導入のハードルも下がり、さまざまな現場での導入が期待されます。
開発背景
スギノマシンは2023年にバリ取りの自動化を目的とした「デバラボ」を設立し、顧客と共に課題解決に取り組んできました。特に、人手不足が深刻化する中、バリ取り作業は危険を伴うため、自動化のニーズは高まっています。今回の「JDM」は、特に小型部品に対する適応性が求められる市場の要望に応えるため、集中的に開発された製品です。
発表予定
「JDM」は、2025年10月22日から25日まで開催される「メカトロテックジャパン 2025」に出品される予定です。この展示会では、さまざまな業界の専門家に向けて、同装置の実勢と特徴が紹介されます。興味がある方はぜひ訪問してみてはいかがでしょうか。
まとめ
これまでのバリ取り作業の常識を覆す新型ウォータージェットバリ取り装置「JDM」。高圧水による効果的なバリ除去、自動化の推進、そしてコンパクトな設計は、製造業における新たな生産性向上の鍵となるでしょう。スギノマシンのイノベーションは、今後の製造業界に大きな変化をもたらすことが期待されています。