新たな挑戦:営農型太陽光発電の実現
2025年10月28日、
JA三井リース株式会社とその子会社である
茶畑ソーラー合同会社が静岡県内において営農型太陽光発電のバーチャルPPA(Power Purchase Agreement)契約を締結したことを発表しました。このプロジェクトは、地域の農業と再生可能エネルギーの共存を目指したもので、茶畑での営農と発電を両立させる取り組みです。
プロジェクトの概要と背景
茶畑ソーラー合同会社は、JA三井リース株式会社を含む4社が出資して設立された特定目的会社です。運営する発電所は1.8MW(DC)の能力を持ち、一般家庭約550世帯の年間使用電力に相当します。このプロジェクトでは、発電所から創出された再生可能エネルギーの環境価値を、野村不動産が全量購入。契約の一部は地域の営農委託報酬や農地賃借料として地域に還元され、農業基盤の維持に寄与します。
近年、静岡県の茶産業は消費量の低下や高齢化に伴い、離農が進んでいます。しかし、抹茶の需要が海外で急増しているため、地域の茶生産を維持・拡大することが急務です。そこで、茶畑ソーラー合同会社は、碾茶の栽培に必要な遮光用の棚を営農型太陽光発電設備として活用し、安定した農業生産の確保を図ります。
各社の取り組みと連携
このプロジェクトには、5社が関与しています。
- - 野村不動産グループは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを掲げ、建物開発を通じて省エネや再エネを推進している。
- - JA三井リースグループは、サステナビリティ経営を通じて地域課題を解決することに取り組んでおり、再生可能エネルギー関連領域の拡大を目指しています。
- - 農林中央金庫は、農林水産業を支え、持続可能な地域社会の実現に向けて活動しています。
- - 流通サービスは、日本の茶文化を守りながら、持続可能な農業経営を推進し、安定した供給体制の構築に努めています。
- - TEA ENERGYは、茶園と太陽光発電を融合させ、新しいエネルギーソリューションを提供し、環境保全と経済活性化に貢献しています。
プロジェクトの目指すもの
この合同プロジェクトは、再生可能エネルギーの拡大と持続可能な農業の両立を図ることを目指しています。今後も、これらの企業は静岡県での茶生産を支援し、地域課題の解決を通じて脱炭素社会の実現に貢献する予定です。
持続可能な農業とエネルギーの融合は、地域の農業を支えるだけでなく、環境にも優しい選択肢となります。この取り組みが成功すれば、日本全国の他の地域でも同様のプロジェクトが展開される可能性があります。更に、持続可能な未来を構築するための新たなモデルとして注目されています。