JR東日本が目指す鉄道業界のサステナビリティ
少子高齢化が進む日本社会において、鉄道業界では特にメンテナンス分野の人材確保が急務となっています。JR東日本は、新たに設けられた特定技能制度を活用することで、国内鉄道システムの維持とさらなる発展を目指しています。複数の機関との協力によって新たな人材育成プログラムが始まることが発表されました。
特定技能人材育成研修の概要
2024年度の特定技能制度に基づき、JR東日本は海外から受け入れた人材を対象に、基礎的な鉄道技術の知識習得と特定技能評価試験への合格を目指した研修を実施する予定です。特に、インドネシアとベトナムからの人材約25名を、2025年の春に日本に招聘し、4週間の研修を試行します。これにより、各分野での専門知識を持つ人材の流入を図ります。
研修の場所と実施スキーム
研修は福島県白河市のJR東日本総合研修センターで行われます。JR東日本を中心に、様々な機関と協力しながら、研修の全体のコーディネートや参加者への支援を行います。今後、2025年度からは、他の鉄道事業者もこのプラットフォームに参加できるようになる予定です。
研修の流れ
- - 車両整備区分: 5名(インドネシア)
- - 軌道整備区分: 12名(ベトナム8名、インドネシア4名)
- - 電気設備整備区分: 8名(ベトナム4名、インドネシア4名)
各分野ごとのスケジュールも設定されており、研修後には専門の評価試験が実施されます。これに合格した人材は、在留資格「特定技能」を取得し、JR東日本及びその関連企業での就労が可能となります。
国際貢献としての技能実習制度
JR東日本では、以前からアジアの鉄道技術者への支援を行っており、2019年からは「JR東日本 Technical Intern Training」を通じて人材育成を進めてきました。これに加えて、特定技能制度による新たなアプローチを採用することで、より多様な人材を育成し、鉄道業界全体の質の向上を図ります。
地域との連携
本研修には、多くの関係団体が参加しており、協力体制が整っています。例えば、(一社)海外鉄道技術協力協会(JARTS)が研修全体のコーディネートを担当し、各国の送り出し機関が参加者の選考や教育を支援します。この国際的な協力によって、日本国内の鉄道業界の未来を支える人材が育成されていくのです。
結論
JR東日本が推進する特定技能人材育成は、単なる労働力の確保にとどまらず、鉄道業界における持続可能な発展を目指す重要な取り組みです。今後、このプログラムが成功を収めることで、鉄道業界がより一層充実した未来を迎えることが期待されます。