ANAシステムズの営業改革
ANAシステムズ株式会社は、ANAホールディングスの一員として、日本の航空業界を支えるITの専門企業です。近年、同社は営業組織の変革に着手し、新たなサービス「Enablement Service」を導入しました。この取り組みは、受動的な営業スタイルから能動的な価値創出型にシフトすることが目的です。
1. 新サービス「Enablement Service」とは
「Enablement Service」は、企業が内部でトレーニングを実施し、社員の自立を促進するための包括的なソリューションです。具体的には、社内での「集中トレーニング養成コース」を通じて、営業活動の「型」を確立し、持続可能な業務運営をサポートします。これにより、企業はより迅速に自走する組織へと変貌を遂げます。
このサービスは特に、営業経験が浅い組織において効果を発揮します。従来の営業手法ではなく、顧客の潜在ニーズを積極的に掘り起こし、営業活動をリードする力強い集団へと進化することを目指しています。
2. 変革の具体的な進め方
ANAシステムズが「Enablement Service」を使ってどのように営業組織を再編成したか、その成果を見ていきましょう。プロジェクトは8ヶ月にわたって実施されましたが、以下のように具体的な施策が講じられました。
- - 営業の概念再定義:営業を「顧客と自社を結ぶ価値創出の役割」として新たに定義し、ネガティブなイメージを払拭しました。
- - 営業インフラの整備:具体的には、営業活動を効率化するためのロードマップ作成や、情報共有のためのGoogle Workspaceを活用した営業管理ツールを導入しました。これにより、営業情報のガバナンスを強化し、各部門間のコミュニケーションを円滑にしました。
- - プロセスKPIsの導入:初期の評価を売上金額ではなくプロセスに重きを置くことで、従業員のスキル向上を図る仕組みを導入しました。
- - 営業育成プログラムの始動:2024年4月の組織正式立ち上げに向け、選抜されたメンバーに短期集中型の営業育成プログラムを提供。基礎から実践までを段階的に学ぶことで、能力を短期間で引き上げることを目的としました。
3. 客観的な評価で進化を促す
新たに導入した「Enable Score(イネーブルスコア)」は、営業成熟度や個人のスキル獲得を可視化するための数値指標を提供します。このスコアを活用することで、組織全体の弱点や次のアクションを明確にし、目に見える形で進化を促します。これにより、「なんとなく動いている」状態から、「数値で証明できる」組織へと変わったのです。
4. 営業部からのコメント
ANAシステムズのバリュークリエーション推進部のメンバーも、今回の変革を非常に高く評価しています。部長の木村氏は、「営業ノウハウがない中で、理想の形を自分たちで作り上げることができた」と語り、感謝の意を表しました。また、副部長の三谷氏は、「グループ各社とのリレーション強化にも寄与した」と述べています。
新たな活動により、ANAシステムズは受動的な技術集団から脱し、能動的に提案を行う組織へと進化しました。次世代の営業スタイルとして「Enablement Service」が果たす役割は非常に大きいと言えるでしょう。この取り組みは、今後他の企業でも導入が期待されています。
まとめ
ANAシステムズの新たな営業組織の開発は、企業が現代の急速に変化する市場環境に対応するための重要な一歩となりました。今後、同様の手法が他の分野でも広がっていくことは間違いありません。私たちもこの変革の行く末を注視していきたいと考えています。