富士モータースポーツミュージアムで展示される童夢製の名車に注目

2025年9月18日から2026年3月31日まで、静岡県小山町に位置する富士モータースポーツミュージアムにて、特別企画展「耐久レースと日本～クルマを鍛えた進化の足跡～」が開催されます。この展覧会では、株式会社童夢が誇る名レーシングカー「RL-81」と「トヨタ・童夢 85C-L」が出展されることで、多くのモータースポーツファンの注目を集めること間違いなしです。

童夢 RL-81の歴史と特長

1981年に誕生した「童夢 RL-81」は、ル・マン24時間レースを目指して開発されたグループ6のレーシングスポーツカーです。1978年に童夢初の製品「童夢零」をジュネーブショーで発表したのを皮切りに、童夢はさらなる高みを目指しました。零 RLはその夢を引き継ぎ、最高速を目指すためにデザインされたことでも知られています。

このRL-81は、軽量な専用アルミ製ツインチューブ・モノコックフレームを用いることで、高い剛性と軽量化を両立させました。また、コスワースDFVエンジンの実績を利用し、プライベートチームでも手に入れやすいエンジンを重視したため、多くのチームが採用しました。出場したレースではトラブルに悩まされたものの、日本のコンストラクターが国際的な舞台で足跡を残す重要な役割を果たしました。

この車両が初めてメインスポンサーを迎え、新しいカラーリングで出場した際には、ポルシェやその他の強豪に対抗し、総合8位の成績を収めることもありました。残念ながら、エンジントラブルによりリタイアを余儀なくされましたが、これが日本の耐久レース史における足跡となりました。

トヨタ・童夢 85C-Lの歩み

次に紹介する「トヨタ・童夢 85C-L」は、1985年に開発されたグループCのレーシングカーです。このモデルは、アルミハニカム材を使用し、軽さと強度を兼ね備えたモノコックフレームが特徴です。トヨタのターボ過給エンジンを搭載し、国内外で活躍するために最適化されています。

特に注目されるのは、85C-Lがル・マン24時間レースに挑戦し、総合12位で完走したことです。この成績は、日本のチームがル・マンにおいて達成した最高位置として記録され、トヨタのル・マン挑戦の歴史における重要な一歩となりました。

この展示では、「RL-81」と「85C-L」が日本の耐久レース史において果たした重要な役割を振り返る良い機会です。