日本初の100kW級太陽光発電所が30年の歴史を越えてリパワリング

日本初の100kW級太陽光発電所が再生を果たす

ヒラソル・エナジー株式会社が、山梨県企業局及び百年ソーラー山梨株式会社と共同でリパワリングを進めた、国内初の100kW級太陽光発電所、丘の公園太陽光発電所は、1993年に設置され、今年で30年の運転を迎えました。このプロジェクトは、今後100年続く太陽光発電の実現を目指すものです。

リパワリングの背景と必要性

丘の公園太陽光発電所は、日本で最も長い歴史を持つ100kW級の発電所であり、経年劣化による発電量の低下が懸念されていました。しかし、発電能力を維持し続けるためには、新たな対策が必要とされていました。そこで、デジタル技術の導入による効率的なリパワリングが選ばれました。

今回のリパワリングでは、設備全体を交換するのではなく、ポイントを絞った修繕を行い、発電量の回復を目指しました。具体的には、太陽光パネルの取り替えをせずに、配線の組み換えや通信系の部材の改修、パワーコンディショナー及びキュービクル式高圧受電設備の入れ替えを実施しました。これにより、必要な箇所を効率的に修繕することが可能になり、経済的なコストも抑えられました。

先進的なデータ解析技術の活用

ビッグデータ解析を用いたシミュレーションによって、高精度な期待発電量を算出しました。その結果を基に、優先的に修繕するポイントを特定して再設計を行ったことで、発電効率の最大化が期待されています。また、リパワリングを通じて、地域の脱炭素化に貢献し、安定した再生可能エネルギー供給の実現を試みています。これは、あらゆる中小規模の太陽光発電所にとっても新たなモデルケースとなるでしょう。

リパワリングの成果と今後の展望

リパワリング工事は2024年9月下旬に完了し、10月1日には系統連系が再開される予定です。ヒラソル・エナジーは、経年劣化や長期間稼働による問題を克服し、持続可能な運営を実証するための取り組みを続けます。この成果は、固定価格買取制度（FIT）が終了する今後の社会課題にも寄与すると考えられており、発電所の維持運営の継続が期待されています。

地域への貢献と未来への期待

再生後の発電した電力は、丘の公園内のレストランやゴルフ場で利用され、地域での電力の地産地消に繋がっています。山梨県企業局は、これらの取り組みを通じて、地域のグリーンエネルギーの安定供給及び脱炭素化に貢献していく意向です。

ヒラソル・エナジーの代表取締役、李旻氏は、「丘の公園太陽光発電所の再生は、日本で初めて50年の稼働を目指す象徴的なプロジェクトです。未来への道筋を示す一歩として、大変光栄に思います。」と述べています。これまでの成果と知見が、今後の再生可能エネルギー業界に広がり、大きな影響を及ぼすことが期待されています。