カラクリとオルビス、AIで顧客体験を向上
カラクリ株式会社(以下、カラクリ)は、オルビス株式会社(以下、オルビス)の公式オンラインショップに「KARAKURI chatbot」という高機能AIチャットボットを導入しました。この取り組みは、さらに良質な顧客体験を提供しようとするオルビスの意欲を反映しています。
VoC(お客様の声)のデータ活用
導入されたKARAKURI chatbotは、お客様から寄せられる意見や要望、つまりVoC(Voice of Customer)を日々蓄積し、オルビスの社内でデータ分析に活用されます。これにより、オルビスはカスタマージャーニー全体を可視化し、自社独自の「VoC世界地図」を構築しました。この地図は、顧客の購入プロセス上の課題を明らかにし、UI/UXの改善に大きく寄与しています。
オルビスのデジタル戦略
オルビスは、スキンケアを中心としたビューティーブランドとして1987年に創立し、時代に先駆けてD2C(Direct to Consumer)モデルを展開しています。従来はカタログや電話窓口を通じて顧客対応を行っていましたが、ECでの売上が80%以上を占める現状では、デジタルによる「購入前の体験」を最適化する必要があります。
「KARAKURI chatbot」の導入は、非対面モデルでの顧客体験を豊かにするための重要なステップです。顧客が購入前に抱える不安や迷いを解消するために、AIチャットボットを通じた新しい体験価値が求められていました。
WEB接客機能の活用
新たに導入されたWEB接客機能「KARAKURI hello」では、ユーザーの行動や属性に基づき、リアルタイムに顧客のニーズを先取りしてお知らせします。これにより、自己解決の促進や購入プロセスでの離脱防止を図ることが可能になりました。
さらに、カラクリは、利用データの定点観測とページ単位のVoC収集を重視しています。毎月のレポートでは、「どの情報がよく見られているか」、「寄せられている質問や意見」は何か、さらには「不足している情報」について分析し、サイト全体のUX(ユーザーエクスペリエンス)改善に努めています。
導入の成果
KARAKURI chatbotの導入により、オルビスはVoCを網羅的に分析する体制を整えました。その結果、顧客の購買導線とVoCの相関関係を把握しやすくなり、具体的な定量的効果も得られています。
顧客満足度も向上傾向にあり、導入直後のボット満足度は61%から78%へと改善。その後、2025年7月時点では約83%にまで達しています。
まとめ
オルビスは、顧客の声をデータ化し、リアルタイムで顧客体験を向上させる取り組みを進めています。カラクリのAIチャットボット導入は、オルビスにとって、デジタル時代における顧客との接点を強化する大きな一歩となりました。今後もカラクリは、最先端のAI技術を活用して、顧客の課題解決やビジネス成長を支援していくことでしょう。
このような革新は、他のブランドにとっても新たなヒントを与える参考となるでしょう。オルビスの成功事例は、今後のデジタル戦略構築においても注目すべきポイントです。