オーストリアとのコラボレーション誕生の舞台裏
旭酒造株式会社が発表した新しい日本酒「獺祭 未来を作曲」は、まさに音楽と酒が融合した特別な商品です。オーストリア連邦産業院との共同プロジェクトとして誕生し、2025年に開催される大阪・関西万博のオーストリアパビリオンでの販売がすでに決定しています。このコラボレーションは両国の文化的な交流を象徴し、豊かなストーリーを持っています。
製造までのプロセス
このプロジェクトは、2024年4月に始まり、西洋音楽と日本酒作りの技術が交わる瞬間を捉えています。オーストリア連邦産業院のハラルド・マーラー総裁が旭酒造を訪問し、共同の覚書を結んだのが始まりです。音楽の力を借りた日本酒作りには独自のアプローチが採用されています。
2024年8月、ウィーン・フィルハーモニーのメンバーによる六重奏が録音したヨハン・シュトラウスⅡ世の名曲、「入り江のワルツ」が日本センチュリー交響楽団と共に演奏されます。この音楽は、日本の獺祭の発酵タンクに送られ、醸造過程に組み込まれます。音楽が持つ振動が酵母に影響を与え、酒質を変化させるという新たな試みが行われました。
このようなユニークなアプローチを経て、2025年3月に「獺祭 未来を作曲」が完成します。5月22日からはオーストリアパビリオンでの販売が開始され、関西の各酒販店、百貨店、ホテルでも取り扱われる予定です。この商品は、大阪関西万博のクライマックス、10月13日まで続く予定です。
音楽の力を借りた新たな酒質
「獺祭 未来を作曲」のポイントは、精米歩合が「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」と同じく23%であること。そして、音楽を聴かせることによって生まれる酒質の変化です。醸造過程での振動が酵母の動きに変化を与え、これまでにない奥深い味わいへと昇華させています。
日本酒と音楽の融合は、ただの飲み物を超え、文化を反映するものとなっています。オーストリア連邦産業院のマーラー総裁は、「日本とオーストリアの職人技が共鳴することで、新しい文化の架け橋となることを信じています」と語ります。
代表者たちの思い
このコラボレーションに関わるさまざまな代表者たちは、それぞれの思いを込めています。旭酒造の桜井社長は、「人々に感動を与える日本酒は、音楽と同様に社会に不可欠です」と述べ、文化交流の重要性を強調します。
ウィーン・フィルハーモニーのアンドレアス・グロースバウアー氏は、「音楽は文化を越えて人々を繋げる力を持っています。私たちのプロジェクトは、音楽の力を通じて新しい価値を生み出すことを目指しています」と語っています。
商品詳細と販売情報
この日本酒は、720mlのカートン入りで販売予定です。アルコール分は15度、希望小売価格は税抜7,273円(税込8,000円)。音楽を聴かせて作られたという背景を持つこの特別な酒は、音楽好きや日本酒ファンにとって、まさに価値ある体験となることでしょう。
日本酒と音楽の驚くべき融合体験、そしてその背後にある文化的な意義をぜひ向き合ってみてください。「獺祭 未来を作曲」は、文字通り未来を作る新たなチャレンジとして期待されています。